モーニング娘。の新曲「時空(とき)を超え 宇宙(そら)を超え」(2014年4月16日発売)のMVがyoutubeで公開されていたので見てみました。
「時空を超え 宇宙を超え」というタイトルを初めて聞いたときは、戦隊レンジャーものを連想させるような響きだなと思いました。
戦隊レンジャーっぽいといえば、私の中では「ももいろクローバーZ」(アイドルグループ)。つんく(モーニング娘。のプロデューサー)は「ももクロ」を意識しているような発言を日頃からしているから、今回の曲は「ももクロ」っぽい元気な感じなのかな?
と思いながら実際に聴いてみたら……。
あれっ。全然「元気ソング」ではない!
透明感
なんだこの透明感のある世界観は。
『私はまだね未完成 遠い過去から君を待つ』。冒頭のこの歌詞で、タイトル通り、思考が「時空」を超えます。
過去から、待つ。この「過去」というのがいつを指しているのか?
『また次の世でも逢えるかな 切ないよ』。次の世……来世? 来世でも会いたいと言っているの?
すごく抽象的なんです。誰が、誰に対し、どんな状況で何を語っているのか、はっきりしません。
けれど伝わるイメージは、なんだかひたすらに清浄で、胸が締め付けられます。
守りに入っていないつんくを感じる
2013年1月発売の「Help me!!」から、四作連続でオリコンウィークリーチャート一位を獲得したモーニング娘。
こうなってくれば「五作目も……」と気負うのも当然で、「こういう曲の感じにすれば売れる」というパターンのようなものを見つけ、それに沿った作品を出してくるんじゃないかなと思っていました。
けれど、つんくは全然守りに入っていない。チャート一位をまた獲りたいという思いはあるんだろうけれど、それにも増して、新たなものにチャレンジする心を感じました。
つんくは、2014年3月に、咽頭がんの診断を受けていることを発表しました。
そんなつんくが作った曲だからこそ、『時空を超え 宇宙を超え 結ばれる頃には この地球は 綺麗になるかな』なんて歌われると、「ウォ~! つんく、無事に帰ってこいよーー!」と、余計に切なくなります。
つんくがいなくなっちゃったら、モーニング娘。はどうなっちゃうんだよ。
つんく本人はいたって前向きに治療に取り組むと言っていて、そんな湿っぽい心で作った曲ではないでしょうが、なんだか遺言めいた内容にも思えて、曲の清らかさが逆に不安を煽るといいますか……。
いや、でも、寛解を信じて待つしかないですね。きっと戻ってきてくださいつんく! そして、今まで聴いたこともないような新たな音楽の世界をまた見せてください!! 待ってるよーー!!