昨年、自分なりに「ホームベーカリーで食パンを上手に焼く四つのコツ(基本編)」を確立して、以来、本当に食パンを焼く機会が増えました。
しかし、そうしてパン焼きの回数を重ねていくごとに欲が出てくるもので、「もっと美味しく焼く方法はないかな?」と新たな探究が始まりました。
そして実験を繰り返して行き着いた!! さらなる三つのコツを、今回、お伝えしようと思います!
前提条件
まず、前提条件は以下の通り。
使用するのはパナソニックのホームベーカリー
「食パンコース」で焼き色は「淡い」
ドライイーストは「サフイースト(赤)」
強力粉は道産(国産)小麦100%のもの
砂糖として粗糖(古式原糖)使用
四つのコツ(基本編)を実践↓
水の量は強力粉の60%(説明書記載のレシピより減らす)(強力粉250gの場合は150ml)
氷水を使う
バターと砂糖は強力粉に対してそれぞれ5%、12%(強力粉250gの場合は砂糖が30g、バターが12.5g)
水は、パンケースに他の材料を入れてから最後に入れる
コツ5:15分余計に練る
上記を前提条件として、四つのコツに続く(基本編)五つ目のコツとなるのが、最初に、生地を15分余計に練るということ。
これのやり方は以下の通り。
1.パンケースに材料を入れて、食パンコースでスタートさせる。
2.15分経ったら「取り消し」ボタンを押してホームベーカリーの動作を停止させ、再び食パンコースでスタートさせる(あとは機械まかせで焼き上げまでおこなう)。
↑ホームベーカリーの「食パンコース」は、最初は「練り」だけを行いますので、この方法を採ることで、15分余分に練りを加えることができます。
(パナソニックのホームベーカリーにおいては、この15分の間にドライイーストは投入されません。)
15分余計に練ることの良さ…高さが出る
15分追加で練るとどうなるかというと、以下のように、焼き上がったパンにグワッと高さが出ます!!↓
↑外国産強力粉を使えばこの程度に膨らむのは普通なのかもしれませんが、国産の強力粉では、普通に焼くと、ここまで膨らみません(少なくとも私の経験では)。
↑15分追加練りしたもの(左)と、普通に食パンコースで焼いたもの(右)の焼き上がり比較はこんな感じ。
15分余計に練ると、普通に焼いたときよりも+1~2㎝くらいは高さが出ます。↓
↑粉の量は変わらないのにパンが大きくなるので、母は「得した気分になるね」と言っていました。
きめ細かくフワフワに
そして、15分余計に練ると、そうしないものよりもパンがきめ細かく、フワフワになります。
高さ・ふわふわの理由…グルテンが上手くできる
なぜ15分余計に練ると高さが出るか? ということなのですが、それは、たくさん練ることによって強力粉のグルテンが引き出され、酵母(イースト)の出すガスをうまく閉じ込めてくれて膨らんでくれるから。
そして、こね続けてよく伸びたグルテンが酵母の気泡を細かくキャッチすることでフワフワ感が生まれます。
(参考:yahoo知恵袋、ハッピー・ノートドットコム)
15分以外の時間でも良いか
追加練りの時間が「15分」ではなく、
・もっと短い「10分」
とか、逆に
・長めの「20分」
だったらどうなのかということですが、「10分追加練り」に関しては、「やらないよりは高さもフワフワ感も出るけれど、15分追加練りの方がより良い」という結果が出ました。
「20分追加練り」は試していませんが、あまりこねすぎてもグルテンが切れ始める(*1)とのことなので、15分くらいがちょうど良いのかなあと思っています。(参考*1:yahoo知恵袋)
コツ6:バターを15分後に入れる
続いてコツ6。これは、前述「コツ5」と組み合わせて使う技なのですが、バターを、生地練り開始の15分後に入れます。
ホームベーカリーの食パン作りにおいては、普通、最初に、パンケースにすべての材料(ドライイースト以外)を入れてしまいますが、油脂は、グルテンの形成を阻害する(*2)ため、ある程度「油脂抜き」で生地を練ってグルテンを引き出してから、改めて油脂を加えた方が良いのです。(参考*2:youtube)
それでは、実際にやり方を説明します。↓
↑まず、パンケースに、バター以外の材料を入れます(ドライイーストは所定の位置)。
↑食パンコースでスタート。
↑15分生地を練ったら「取消」ボタンを押して停止させます。
↑そこにバターを投入して、再び「食パンコース」でスタートさせたら、あとは焼き上げまで機械に任せます。
バター後入れの効果…フワ度・弾力が増す
実際に、バターを15分後に入れるとどうなるか、ということですが、これは、バターを最初から入れたときよりも、パンのフワフワ度と弾力が増します。
コツ5の「パン生地を15分余計に練る」ことだけでもフワフワ度は増しますが、バターを後入れすることによって、さらにフワフワになります。
コツ7:スキムミルクを粉の6%以上入れる
そしてラスト!! コツの7は、スキムミルクを強力粉の重さに対し6%以上入れるということ!!
具体的には、強力粉が250gの場合、スキムミルクを15g以上、できれば20g入れます。
スキムミルクの効果
私は今まで、「パン用にスキムミルクを買っておいても使い切れない」という理由でスキムミルクは買わず、食パンにも使わずにきていたのですが、無脂肪ヨーグルト作りのためにスキムミルクを使うことが必須になって以来、スキムミルクを大量に買い置きするようになったため、パン作りにも使用するようになりました。
すると、スキムミルクを6%以上入れた食パンは、入れない食パンよりも、キメが細かくなり、フワフワ度が増すことがわかりました。
焼いた当日は、スキムミルク無しのものと差がそこまでわからないのですが、翌日以降にトーストすると、違いがはっきりします。
スキムミルクを入れた食パンのトーストは、表面サクサク・中フワフワなんですよね。
6%未満だとどうなるか
入れるスキムミルクの量は、「10g、15g、20g」(粉に対して4%、6%、8%)で実験しましたが、10gだと、入れないものとほとんど変わらないできあがりでした。
15g入れると、パンのキメが細かくなって、フワフワ増効果が出ます。
20g入れると、さらにパンの風味に練乳感が加わってリッチになります。
ですから、スキムミルクを入れるならば、最低でも15g(6%)は欲しいという結論に至りました。
8%より多く入れるとどうなるか?
8%より多く入れるとどうなるか、試してはいませんが、おそらく風味によりミルキーさが出てくるのだと思います。
ただ、スキムミルクもなかなかに高価ですから(200g入り約400円)、費用対効果のことを考えると、日常的に食パンを焼くのであれば1回につき15~20gの使用というのがちょうど良いんじゃないかなと思います。
二日目以降に差
以上! 食パンを上手に焼く四つのコツに引き続き、さらなる三つのコツについてお話ししました!
食パンって、どんな風に焼いても、焼いた当日は美味しいんですよね。
ですから、当日に食べきることがわかっている場合は、ここまで頑張らなくても良いと思うのです。特に、スキムミルクは、抜いても問題ないと思います。
ただ、焼いた翌日以降も食べる予定の場合は、今回の記事でお伝えしたコツを実践していただくと、トーストしたときに差を感じていただけると思います。
コツ非実践の食パンは、私の経験では、二日目以降にトーストしたときにちょっと表面がガリッとしていて、中がスカスカしているのですが、コツを実践すると、前述したように表面サクサク・中フワフワになります。
コツの重要度
コツの重要度としては、上から順に高くなります。
15分余計に練る(最重要)
バターを15分後に入れる(二番目)
スキムミルクを粉の6%以上入れる(三番目)
一度稼働させたホームベーカリーを15分後に停止させて再びスイッチ入れ直し……って、ちょっと手間なのですが、興味のある方はぜひ! 試してみてください!