先月、市役所からマイナンバーカード電子証明書の有効期限通知書が届きました。↓
↑なんでも、誕生日までに市役所に行って更新手続きをしなければならないとのこと。
マイナンバーカードを作ったときに、五年ごとに電子証明書を更新しなければいけないと説明は受けていて、一応心の片隅にそのことは留めていたのですが、もうその五年が経ったなんて早い!
新市役所への興味
しかし……わざわざ市役所まで行かなければならないなんて面倒くさいなあ~~(笑)!
このオンライン全盛の世の中で、オンライン手続きできないなんて~~。
……まあそれだけ重要なものだということなのだろうなあ。仕方ない。
でも、市役所にはちょっとした興味もありました。
というのも、2023年、旭川市役所の総合庁舎が65年ぶりに建て替えられたのです!
最後に市役所に行ったのは2020年なので、私はまだその新総合庁舎を見たことがありませんでした。
昭和レトロだった旧総合庁舎
旧総合庁舎は昭和33年に建設されたもので、外観はモダンなのですが、中はわりと昭和レトロな雰囲気で、特に地下の食堂や理髪店があったあたりは昭和50年代くらいの建物にタイムスリップして迷い込んだような不思議な空気感がありました。
それが、新庁舎ではどうなっているのか?? あのレトロ感は綺麗さっぱりなくなってしまったのか??
確認しに行く良い機会ではある!
初めて見る新総合庁舎
↑というわけでやって来た!! 旭川市役所の新総合庁舎!! 落ち着いたレンガ色の外壁で、「いかにも最先端」という見た目ではなく、周囲の景観に馴染んでいます。
↑けれど入り口(裏玄関)に至るまでの道のりはお洒落なアーケード風で、高級ホテルっぽい感じもあり、なかなかときめきます。
光あふれる庁舎内
そして裏玄関から中へ!!
すると!!↓
↑オオーッ。
まっすぐ行った先に見えるガラス張りの正面玄関から、光がたっぷり入ってきて明るい!
旧庁舎は窓がそんなに大きくも多くもなく、昼でもあまり明るい印象がなかったので、なんだか爽やかになったなあと思いました。
中央には低層階(1階~2階)専用エレベーターがあり、便利です。
電子証明書の更新
↑早速2階に行き、マイナンバーカード電子証明書の更新手続きをしました。意外と混んでいて、15分くらいは待ちましたが、手続き自体はスムーズに終了。
9階の展望ラウンジへ
そして次に向かったのは9階の展望ラウンジ!!↓
↑まず目に飛び込んできたのは椅子がセットされたテーブル5台!!
こちら、すべて北海道産の木材で作られた旭川家具なのだそう。
↑驚いたのは、テーブル一台につき四脚ずつセットされている、合計20脚の椅子なのですが、こちら、一脚一脚すべてデザインが違うんですよ!!
籐編み(ラタン)だったり、座面にクッション有りだったり、全部が木だったり、背もたれの形状も深いアーチだったりまっすぐだったり、ハイバック、ローバック、何でもあり!!
まるで椅子の展示場。
様々な椅子に腰掛けて好きな座り心地の椅子を探したりして楽しかったです。
この椅子をサンプルとして、気に入った椅子があったらその場で注文・購入できるような仕組みがあったら面白いのにと思いました。
小学生デザインのテーブルと椅子
↑もう少し奥のエリアに行くと、次に置いてあるのが大きめのテーブル二台+ベンチ四台。
こちらのテーブルとベンチは市内の小学生がデザインしたもので、それを旭川家具職人が形にしたものなのだとのこと。
市内在住の12歳以下の子供を対象にデザインの募集をかけ、そのデザインコンペに応募された78作品の中から選ばれた作品が採用されたそうなのですが、これが可愛いんですよ!
旭橋の背もたれ+川のテーブル
↑こちら、ベンチの背もたれが旭橋で、テーブルには川が水色のガラスで表現されています。
すごく夢のあるデザインで綺麗。こんな家具が置いてあったらその部屋にずっといたくなる。
さすが小学生、発想が柔軟だと思いましたし、それを家具に仕立てる職人さんの技もすごい!
大雪山連峰の背もたれ+足跡のテーブル
↑こちらは背もたれが大雪山連峰で、テーブルには虎と狼の足跡。
これも可愛い! 使い心地の良さとデザインが両立しています。
原木背もたれベンチ
↑そんなポップなベンチたちの中に、一つだけ原木一枚板の渋い背もたれのベンチがあって、なんだかこれだけやけに老舗旅館のような雰囲気を醸し出しているなあと思ったのですが、あとで調べたところ、この背もたれは旧庁舎を取り壊したときに切り倒されたポプラの原木(*1)なのだそうで、旧庁舎への敬意が込められているんだなと思いました。(参考:わさび茶漬けよりウマイもの)
(でもそのポプラの木、切り倒さずなんとかそこに生やしたままにできなかったのかななんて思ってしまった……)
動物のベンチ
↑そして窓に最も近いエリアには動物の背中に板をのせたベンチ!!
白クマ、あざらし、カバ。
やっぱり旭川といえば旭山動物園なので、こういう動物モチーフは市のイメージにぴったりです!
↑いや、可愛すぎるだろ(笑)。
↑わりとリアルな造形で、動物と触れあえている感じが味わえるのも良いです。
公園あたりに置いてありそうな雰囲気で、遊び心があって和みます。
窓からの眺め
↑床から天井まである大きな窓からは旭川の市街地と、遠くに大雪山・十勝岳連峰を見ることができます。
↑窓ガラスには
特に北海道最高峰の
やり投げ・北口榛花選手の手形
↑飾り棚には、旭川市出身の、パリオリンピック・女子やり投げ金メダル北口榛花選手の手形が飾ってあったりもしました。
屋外展望広場
↑展望ラウンジ前の廊下を挟んで西側には屋外展望広場があり、こちらからも景色を楽しむことができます。(ただし積雪期間中は閉鎖されるそうです)
この日は西日がまぶしすぎたので屋内から眺めるだけにしましたが、晴れた午前中など、気持ちよさそうな場所だなと思いました。
展望ラウンジ・お勧め
こうして、9階の展望ラウンジエリアをじっくり堪能したわけですが、この展望ラウンジ、綺麗だし、静かで、眺めも良く、素敵な旭川家具にたくさん触れられて、意外と旭川の新名所たり得るのでは?? なんて思いました。
土日祝日を含め午前8時45分から午後8時30分まで誰でも利用できる(*2)とのことで、町歩きに疲れたときなんかにフラッと立ち寄って一休みするのも良いんじゃないかと思いました。(参考*2:旭川市役所)
菓子博に展示されていた工芸菓子発見
用事も済み、展望ラウンジの見学も終えて満足したのでそろそろ帰ることにしたのですが、来たときは裏玄関から入ったため、帰りは正面玄関から出てみようということになり、エレベーターを降りてから正面玄関側に回り込んでみたところ……。↓
↑オオオッ??? これは……!! 知ってる!!
興味はあったけれど入場料金の高さで行くのを断念したあさひかわ菓子博(第28回全国菓子大博覧会)(2025年5月30日~6月15日開催)で展示されていた工芸菓子!!
↑あさひかわ菓子博で、来訪者が投票して選ぶ「感動大賞」に選ばれた2作品のうちの一つだと説明がありました。(作品名:「鶴と
うわ~~、ほんのちょっとだけでも菓子博に行けた気分で嬉しい~~!!
↑こちらの
手作り600枚の羽
↑制作風景の取材動画によると、この羽は一枚一枚手作業で600枚作ったとのことで、すごく心のこもった作品だということが伝わります。
↑羽を拡大すると、一枚一枚丹念に細工が施されているのがわかります。こういう細かな作業が全体にリアリティーをもたらしているのですね。
(旭川市役所公式Xによると、この作品は2025年9月頃まで展示されているとのことです。)
北の富士の横綱
そして、工芸菓子の展示からさらに奥の方へ行ってみると、なんと!!↓
↑こっこっこっ……これは!!!
2024年11月に逝去された旭川市出身の元・横綱北の富士さんの締めていた横綱ーーー!!
↑「本人が実際に身に付けた綱」という説明があります。そうはっきり書かれると余計に、その綱に北の富士さんの気配を感じる気がします。
↑遠藤の登場をきっかけに大相撲ファンになってから11年経ちますが(大相撲サイトも運営中)、実物の横綱を見るのは生まれて初めて。
私が初めて目にする横綱は北の富士さんのものになったなあと思うと、北の富士さんとの縁を感じ、切なくもちょっと嬉しい気持ちにもなりました。
旭川家具が良かった
そんな感じですべての見学を終えて帰路に着いたのですが、新総合庁舎、なかなか良かったです。
内装に地元産の木材が多く使われていたり、展望フロアに多くの素敵な旭川家具が置いてあったり、日本の木製家具5大産地(*3)の一つである旭川市の強みが生かされていると感じました。(参考:株式会社プロセス井口)
ただ、マイナンバー電子証明書の更新手続きをする際、順番待ちのために用意されていた椅子はプラスチック製で、それも全部木製の旭川家具だったら良かったのになと思いました(笑)。(木製家具だと場所を取り過ぎるとか、そういう問題もあるのかもしれませんが……)
市役所に訪れた以上の満足感
旧総合庁舎に漂っていた昭和レトロ感も味があって良かったですが、新総合庁舎の、図書館のような明るく温もりのある雰囲気も良いものでした。
あと、思いがけず工芸菓子と北の富士さんの横綱の展示を見られたことで、市役所にただ訪れた以上の満足感が得られたのは幸運でした。これからも見応えある様々な展示に期待したいです。
あと、私が行った時間帯にはもうすでに一階の食堂は閉まっていたのですが、ネットの口コミを見ると安くて美味しいとのことなので、いつか機会があればチェックしてみたいです。