↑現在、我が家で使っているプリンター。CanonのMP610。
これの黒インクが、まったく出なくなってしまいました。
応募はがきが印刷できない…
最初に異変が起こったのは二ヶ月前。永谷園の遠藤化粧廻しバスタオルキャンペーンに応募しようと思って、公式サイトから応募はがきを印刷しようとしたときのことです。
本来であれば以下のように印刷されるはずでした。↓
(画像出典:永谷園 遠藤関化粧廻しバスタオルプレゼントキャンペーン)
ところが、実際にプリントアウトしてみると……。↓
↑こんな風に、スカッと、黒枠・黒い文字の無い状態で印刷されたのです。
あらあ? 何だこれ。どうしてこんな風に印刷されたんだろう。これじゃあ応募ハガキとして使えなさそうだなあ。
……と、そのときはまったく深く考えず、官製はがきによる応募に切り替えて、プリンターのことは意識せずに終わりました。
文書が印刷されないことで気づく
それからプリンターを使う機会がないままに過ぎ、翌月(7月)。
母が書く文章の原稿をプリントアウトしようとして、私はようやくプリンターの異常に気づきました。
印刷が終わり、プリンターから吐き出された用紙が白紙のままなのです。まったく何も印字されていない。
あらあ?? 印刷できない。どうしたんだろう。インクの残量もまだあるようなのに……。
ノズルチェックパターン印刷
そこで私は、インクの噴き出し口が詰まっていないかチェックするための「ノズルチェックパターン印刷」というのをやってみました。
すると、出てきたのがこちら。↓
↑え~? ちゃんと青から黒まで、印刷されてるじゃん。
↑正常なときはこう印刷されるはずだと提示されたこちらの画像と比べても、違うところは無い。
おかしいなあ、ノズル詰まりは無いようなのに……。
と、その後、何度もモノクロ文書の印刷を試みましたが、出てくるのは白紙のみ。
……え~? どうして? と、プリンタのヘッドクリーニングを実行。もう一度ノズルチェックパターン印刷。
……う~ん、やっぱり異常はない……あっ??
↑印刷されたパターンと、正常パターンを何度も見比べて、私はようやく気づきました。一番上の「PGBK」というのが、まったく印刷されていない!!
ヘッド洗浄
↑印刷されていなかった「PGBK」というのは、この、左から二番目の大きな黒インクのことのようでした。
プリンターの設定から「強力クリーニング」を何度かやってみてもまったく変化が無いので、ネットで解決策を調べ、効果が高そうだったプリンタヘッドの水洗浄に挑戦してみることにしました。
↑まずヘッドを外して……。
↑底を、濡らしたキッチンペーパーで拭きます。
↑そして、高さ3センチくらいの水を張った容器に、ヘッドを浸ける。
↑下からインクが出てくるので、これが出てこなくなるまで水を取り替える。
↑弁当用の醤油差しに水を入れる(スポイトの代用)。
↑ヘッドを水に浸けたまま、金属メッシュの部分に水を一滴たらす。ついでなので、不具合のある「PGBK」だけでなく、全色やりました。
↑下からまた新たにインクが出てくる。これを、出てこなくなるまで繰り返す。
ここまでやったら出るだろう
ヘッドの水洗浄なんてやったのはもちろん生まれて初めて。
水にインクが溶け出た様子を目の当たりにし、手応えは十分。
ここまでやったら絶対直るよね。うん。良かった。苦労した甲斐があった。
……と、結果を見る前から達成感でいっぱい。
洗浄の終わったヘッドをプリンターにセットし、いざ、ノズルチェックパターン印刷!!
……しかし。
↑出てきたのはやっぱりこれ。PGBKが空白のままです。
えーーっ。ウソっ。直っとらんやないかーーーい!!
買い替え?
その後、やけっぱちになって「強力クリーニング」というのを数回やりましたが、インクが減っただけで、結果に変わりはなし。
……黒が印刷できないんじゃあ、プリンターとして用を為さないじゃん!!
メーカーへの修理依頼も検討しましたが、調べたところ、この機種の修理受付期間は2013年で終わってしまっていました。
じゃあもう、買い替えるしかないのかなあ?
でも……買い替えには抵抗がある!!
年賀状にしか使っていない
この、MP610。いつ買ったか覚えていなかったのですが、2007年10月発売の機種のようで、そのくらいに買った可能性が高いです。
つまり購入から10年。それだけ使えばそろそろ買い替えても良い頃かと、「10年」という月日だけを見れば思います。
けれど!! このプリンター、この10年の間、ほぼ、年賀状印刷にしか使っていないのです!
だから、感覚としては、「まだ全然使っていない」。
毎週のように印刷に使っていたならまだしも、一年にたった数回の使用頻度で、10年経ったから買い替えというのは納得がいかない。
しかも、黒が出ないだけで、他の色は出るし、スキャナー機能もバリバリ生きているのです。
これを捨てるっていうの? もったいなすぎだろう!!
外観だって、昨日買ったかのようにピカピカでカッコイイぞ!
諦められない
しかし、買い替えたくないと言ったところで、黒が出ないままでは年賀状印刷ができないし、いざというときにちょっとしたものをプリントアウトできないというのも不便。
もう買い替えるしかないんだ。そう、頭では理解しているし、母にも買い換えを勧められているのに、どうしても抵抗感がぬぐえない。
あーーーヤダヤダヤダ、買い替えたくない、買い替えたくないよーーー!!
悪あがき1.熱湯かけ
……と、悪あがきで、ヘッドをもう一度取り外して熱湯をかけてみたり。↓
↑ドバッと真っ黒な水が出たので「今度こそいけるか!」と思ったのですがこれもダメ。
悪あがき2.洗剤溶液に浸け置き
中性洗剤溶液に一昼夜浸け置きしたりもしてみました。↓
↑これでダメなら買い替えるという意気込みだったので、壊れても良いから思い切ってやろうと思い、裏の基盤までどっぷり水に浸けました。
このあと、水洗いして乾かし、プリンターにセットして印刷しましたが、やっぱりダメ。
光明
あ~、もうダメなんだ、買い替えるしかないんだ。あ~~(泣)。
と、納得はしていないながらも、MP610と同等の機能をもっていそうな新プリンターを選定(PIXUS TS6330)。
これを買うか……。正月前には準備しないとな……。
と、50%は腹が決まりかけていたのですが、残りの50%、「本当に、本当に、他に何か手はないのか」と諦めきれない自分がいて、検索を続けていた結果。
光明は差したのです!!
写真用紙設定にする
それは、価格コム内掲示板、『顔料黒が目詰まり』という書き込み。
私と同様に黒が詰まって出ないという方がおっしゃっていた一言。
応急措置として印刷用紙設定を写真用紙にして普通紙に黒を染料で印刷しています
↑ん? 『印刷用紙設定を写真用紙』にする……?
印刷用紙設定はいつも「普通紙」(or「はがき」)で、「写真用紙」になんてしたことがない。
「写真用紙」に設定することが「応急措置」になるの?
プロフォトペーパーに設定して印刷
↑そこで早速、「用紙の種類」を「プロフォトペーパー」に設定。
以前印刷に失敗した、永谷園の「遠藤化粧廻しバスタオルキャンペーン」の応募はがきを再びプリントアウトしてみたところ……。↓
↑あっ!! ちゃんと黒が印刷できてるぅぅぅぅーーー!!!
何これっ。これでイケるんじゃない??
顔料インクと染料インクの違い
これは一体どういうことなのかと調べてみたところ、どうやら、MP610の黒インクには「染料の黒」と「顔料の黒」があるようなのです。
PGBK(顔料の黒)
今回故障して出なくなったのは、インクタンク左から二番目のPGBK。これは顔料の黒で、インク粒子が溶剤に溶けておらず、紙に浸透せず表面に付着するため、くっきりとした黒を印刷するのに適しているのだそう。
「普通紙(orはがき)」を選択すると、黒はこの「顔料の黒(PGBK)」で印刷されます。
BK(染料の黒)
一方、インクタンク左端のBKは染料の黒で、インクが溶剤に溶けており、紙に浸透するため、透明感のあるクリアな黒を印刷できるのだそう。
「写真用紙」を選択すると、黒はこの「染料の黒(BK)」で印刷されます。
(参考:顔料インクと染料インク、染料と顔料の違い、顔料インクと染料インクについて)
黒が二種類あった理由がわかった
前から、ヘッドを見るたびに、「このプリンターには黒が二種類あるなあ」とは思っていたのですが、「二種類で黒の色合いが微妙に違っていて、印刷するときに混ぜて噴出させたりしてるのかな?」なんて自分の中で結論づけていて、その本当の理由を探ることをしてきませんでした。
それが今回、その二種類の黒が「染料インク」と「顔料インク」であり、「写真用紙印刷」と「普通紙印刷」で使い分けられていることを知りました。
……そんな凝った仕組みがこのプリンターにはあったのか。全然知らなかったけど、良い勉強になったな!
年賀状も「染料の黒」で乗り切りたい
さあ! これで、なんとか黒が印刷できそうなことはわかったけれど、一番の焦点は年賀状だ。
年賀はがきに、「写真用紙設定」で、うまく印刷できるのか?
ということで、余っていた年賀はがきに、「写真用紙(プロフォトペーパー)設定」で、今年の年賀状と、宛名も印刷してみました。↓
↑するとこの仕上がり! 裏(絵柄)に関しては用紙を「はがき」に設定して印刷したときとまったく同じ刷り上がり。
表(宛名)も、顔料インクの黒と遜色ありません。
よし! これで来年の年賀状もなんとか作れそうだぞ!
故障も覚悟しておく
ただ……。今回、プリンタヘッドを洗浄したわけですが、「壊れるのを覚悟で」けっこう手荒に、基盤部分にも熱湯をかけたり水をかけたり色々としたので、それらが原因でもしかしたら急にプリンターが故障して動かなくなったりする可能性もあります。
そうなったときに対処しやすいように、今年はなるべく早くから年賀状作成に着手しようと思います。
とりあえず! 「今すぐプリンターを買い替え」という事態を回避できて嬉しいです!! なるべく長持ちしてくれますように……。
追記:故障して買い換えた
上記、なんとか持ち直したかに見えたプリンターでしたが、その四ヶ月後、年賀状を刷ろうとしたら色合いがおかしく(セピア色になってしまう)、どうしても直らないので結局買い換えました(泣)(→詳しくはこちら)。