↑昨年の夏頃、右の骨盤(腰)あたりに、急に大きなイボのようなものが出現しました。
気づいたらできていた感じ。何これっ!! と思って引っ張ったら、根元が皮膚にがっちりくっついていて、引きちぎれるような感じでもありません。
触ると軟らかく、そのイボ自体をつまんだりしても痛みは感じません。
徐々に大きくなる
↑自然にポロッと取れたりしないかな……と期待し、ずっと放っておいていたのですが、取れる気配は無し。
むしろ少しずつ大きくなってきていて、最初はもう少しスリムな感じだったのが、でっぷりと丸い形に成長。
皮膚からの高さは約1センチ。
軟性線維腫というらしい
↑横から見るとけっこう飛び出しています。
これは一体なんなのか調べたところ、どうやら
原因は、
とのことで、確かに下着の上げ下げでよく擦れる部位にできました。
簡単には取れない
これを一体どうするか。
楽に取れるものなら取りたいのですが、多少強めに引っ張ったくらいでは全然取れない。
無理に引きちぎるのは怖くてできないし。
ねじれば取れるかなと思って少しねじってみたりもしましたが、根元の幅がけっこうあってねじりきれず。
えー……。もう、どうしよう、これ。
できれば共存したい
軟性線維腫は非ウイルス性の良性腫瘍で(*1)で、放置しても特に問題はないようだったので、外から見える場所でもないし、このまま共存していこうかなと思いました。(参考*1:麹町皮ふ科、トッテモーレ)
別にこんなもの、あったところで、生活に何の問題もないし……。
根元が切れ始めて痛い
そう思って、軟性線維腫は無視して暮らすことにしたのですが、十ヶ月ほど経過した頃、問題が発生してきました。
下着の上げ下げにつられて軟性線維腫が軽く上下に引っ張られることになるのですが、そうやって何度も引っ張られることにより、軟性線維腫の根元の皮膚が少し裂けてしまったのです。
その傷は小さいものではありましたが、布地にこすれて軟性線維腫に動きが生じるたびにピリピリと痛く、しょっちゅう刺激されるのでかさぶたもできずなかなか治らず、少しずつ、痛みだけでなくかゆみも発生してきて、これはもう、除去するしかないかもと思うようになりました。
除去方法二種
では、どうやったら除去できるのか?
ちょっと調べたところ、
1.軟性線維腫の根元を自分で糸で縛って自然にポロリと落ちるのを待つ
2.皮膚科で除去手術を行う
↑上記2通りの方法があるようでした。
自分で取れるか?
まず、できるものならそうしたいと思ったのは自分で取る方法。
皮膚科に行くのは面倒だし、手術なんて怖いし、お金もかかるし、糸で縛れば取れるというならそうしたい。
糸でイボを縛って自分で除去した方の体験記を読むと、根元をきつく縛ることでイボを枯れさせるというか、壊死させるというか、最終的には真っ黒な固まりになって二週間ほどで自然と取れるらしい。
それでうまくいくならそうしたい。やってみようかなあ……。
けれど。失敗したらどうなる? という不安がやはり生じます。
変に腐って膿んだりしたら困るしなあ……。
皮膚科に行くことにする
それに、自分で縛るときに、本当に根元ギリギリを縛れるのか。もし位置がおかしくて、イボが少し残ったなんてことになっては困る。
……う~ん。やっぱり確実性や後々のことを考えれば、医者にキチッと処置してもらう方が安心か。
というわけで、予後の良さを重視し、皮膚科で除去してもらうことに決めました。
手術までの流れ
軟性線維腫の除去手術について、まずその流れを調べてみたところ、
という感じで、何やらけっこう大ごと……。
しかも血液検査って何だよ?? 単にイボを切除するのにそんなのが必要なの?? イヤだな~~。やらなくて済めばいいのに。
また、日程については、日帰りで終わる医院と、初回は手術日だけ決めて後日改めて来院が必要な医院があるようでした。
かかるお金の予想~最低五千円
そして手術にかかる費用ですが、腫瘍のできた場所が非露出部(背中など)で腫瘍の大きさが3㎝未満の場合、保険適応・3割負担で、
と、少なくとも五千円程度の出費は覚悟しなければならないようで、この、色々と値上がりして財布が厳しいときにキツいわーーイヤだわーーー!! と思いましたが、仕方ない……。
皮膚科に行く
そして、意を決してかかりつけの皮膚科へ。
ここ1~2年で乾燥による背中の肌荒れがひどく湿疹化してしまったのでそれを診ていただくのを主目的とし、軟性線維腫の相談を最後にして手術日を決めようと思いました。
いきなり手術になる
診察室に呼ばれ、湿疹の状態を診ていただき、処方していただく薬が決まりました。
もう診察も終わり……という空気が流れたので、私は「最後に、ちょっと診ていただきたいところがあるのですが」と切り出しました。
「右の腰のところに、大きなイボのようなものができてしまって……」
「見せてください」と言われたので、衣服をずらして見せます。
するとそれを見るなり、「ああ、これ、今取ってしまいましょう」と。
………………え?
「い……今取れるんですか?」
「取れますよ。早い方が良いでしょう?」
「はい」
「ではそこの診察台に横になってください」
診察台に横になる
エーーッ。手術日の相談だけするつもりが、いきなり手術? いや、早く済む方がそりゃありがたいけど、こんな速攻で決めてやれるものなの? しかも他の診察(湿疹)のついでなんだけど。何かもっとこう、手術の説明やら同意書やら、手順を踏むんじゃなくて?
と動揺しながらも、診察室内にある診察台にスリッパを脱いで横たわります。↓
↑すると、医師が「今から局所麻酔を打って、電気メスで切り取りますね」とおっしゃいます。
きょ、きょ、局所麻酔!! わかっちゃいたけどちょっと怖い! 体への注射なんて、14年前、血液検査のため採血したとき以来だぞ!!
局所麻酔後、電気メスで除去
「ちょっとチクッとしますよ~」という言葉のあと、「ヒイイイイ」と内心かなり身構えていたら、腰の、軟性線維腫があるあたりの箇所にチク、チク、と五回くらいの小さな刺激を感じました。
痛い、とまではいかないくらいのチクチク感。採血の注射よりはだいぶ痛くないと思いました。
「では切っていきますね~」と医師。
軟性線維腫除去の過程はブログ記事にしようと思っていたので、できれば写真撮影するか、それができなくても切られるところを見て観察しようと思っていたのですが、怖くて、見ることができない!!
ひたすら「ヒイイイイイ」と思いながら、目を見開いて身を固くしていることしかできませんでした。
麻酔をしたからと言ってそれが効いているとは限らないと思い、かなり手術部位に意識を集中させましたが、何も痛みは感じませんでした。
縫合無し。ガーゼを貼って終了
少しして、「はい、これ、取れましたからね」と、医師がピンセットで私の目の前にかざしてくれたのは、白っぽく血の気の失せた軟性線維腫。
あ~……取れたのかあ。ちゃんと根元からうまく平らに切れたかなあ。なんてことをぼんやり思いました。
切除箇所は特に縫合されることはなく、速やかにガーゼが貼られ、終了しました。
終わった……のか。緊張のひとときが終わってボーッとした頭のまま診察台から体を起こします。
傷口に痛みはありません。
「あの、今日はお風呂に入らない方が良いですよね」と聞くと、「ゴシゴシこすらなければ大丈夫ですよ~」という答え。
エ゛ーーーッ? そんなものなの??
結果的にかかった料金
待合室に戻り、時計を見ると、診察室に入ってから15分ほど経過していました。
15分か……。「湿疹の診察+ミニ手術」の時間としてはスピーディーだったけれど、皮膚科で一人の患者にかける時間としては長めだよな。待っている他の患者さんにちょっと申し訳ないことしたな……と思いつつも待機していると、受付の人に名前を呼ばれました。
さあ、一体いくらかかったのかな。一応、1万円は持ってきたんだけれど……。
「1400円になります」
…………えっ? せ……
1400円??
あれっ、意外と安いじゃん、これだったら、いつもの湿疹の診察だけのときと300円くらいしか変わらない。えっ。どういうこと?
処置(手術)代金だけなら630円(3割負担)
支払いを終え、いただいた診療明細書に目を通します。
すると、「処置(いぼ等冷凍凝固法 3箇所以下)」という名目で「210点」(2100円)取られており、私が支払ったのはこれの3割ですから、手術代金は「2100×0.3=630円」ということになります。
その他、
再診料…74点
医学管理等…100点
処方箋料…68点
一般名処方加算…9点
療養担当手当…7点
がかかり、「処置」の210点と合わせて合計468点(4680円)、それの3割負担で1400円になったようです(10円未満の端数は四捨五入)。
なぜ安く済んだのか
最低でも五千円はかかると思っていたのが、どうしてここまで安く済んだのか。
保険診療の診療報酬点数について調べたところ(*2)、今回のイボ(軟性線維腫)の切除手術は、「いぼ等冷凍凝固法 3箇所以下」という医療行為として算定されたため210点で済んだけれど、これがもし「皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部外)」として算定された場合は1280点となり、3割負担で、手術代だけで3840円かかることになります。(参考*2:今日の臨床サポート)
これは、医師により、どういう診断・処置・算定になるのか、違ってくるところなのだろうと思います。
安ければ良いというわけではなく、腫瘍の状態に合わせて最適な処置があり、それに応じた算定があるのだろうと思いますが、今回のイボについては素人目から見ても「そんな大げさな処置は必要ないのではないか」と思えるものだったので、軽い処置・算定になってありがたかったです。
術後の患部(血のにじむガーゼ画像あり注意)
さて……。
帰宅後、おそるおそる患部を見てみて、「ヒイッ!」となりました。↓
↑ガーゼに血がっ!! 血があっ!!
手術中、まったく痛みはなかったけれど、やはり切ったから血は出たのですね。
全然たいしたことのない出血量というのはわかるのですが、日頃、こうして傷口から出血している場面を見ることがないので、なんだかザワザワします。
もう血は止まっているようだし、痛みもないし、医師の言うようにゴシゴシこすらなければ入浴もできる状態なんだろうけれど、傷口から再出血しそうでなんだか怖い!!
お風呂は完全にかさぶたになるまで待ってから入ろうと思いました。
術後48時間
そして、お風呂に入るのを我慢して術後48時間が経過。
ガーゼをつけたまま入浴して洗髪・洗顔等を済ませ、最後、湯船から上がる直前、お湯の中で、意を決してガーゼをそーーーっと外しました。
(傷口にガーゼがくっついているかもしれないと思って、一人で「怖い怖い怖い! ヤダヤダ!」と大騒ぎしながら作業しましたが、なんとか無事に外せました。ガーゼが取れなくてこのままお風呂から上がれなかったらどうしようと孤独を感じていたのでホッとしました。)
↑術後初めて見る、ガーゼのない患部がこちら。軟性線維腫を切り取った傷口に、一応かさぶたができている!!
↑でも患部を近くでよく見ると、かさぶたの周囲はまだちょっとグジグジしていて、「未完のかさぶた」という感じ。
(患部周囲がガサガサして荒れている(&色素沈着している)のは、皮膚科に行く前、イボの根元が切れてかゆみが出ていたときに、気になってよくいじっていたためにちょっと湿疹化してしまったものです。)
↑この後、患部は「ガーゼ+サージカルテープ(スキナゲート)」で保護しました。
術後一週間~二週間
↑一週間後がこちら。赤いかさぶたが取れました。
↑二週間後。湿疹部に白いかさぶたができてきています。
術後一ヶ月
↑術後一ヶ月の様子がこちら。だいぶ綺麗になってきましたが、まだガーゼによる保護は続けています。
このあたりから、入浴後、患部に保湿剤(乳液)を塗るようにしました。
術後40日
↑そして術後40日経過した様子がこちら。
だいぶ皮膚も平らに、元通りになってきました!!
それまでずっとつけていたガーゼを、このあたりで外しました。
無事に取れて良かった
こうして、約一年間に渡って続いていた軟性線維腫との物語が、一応の結末を迎えたのでした。
この軟性線維腫の根元が切れてしまって痛がゆかった頃や、除去の決断をするまで、皮膚科に出向く前なんかはけっこう憂鬱でどうしようかと思っていましたが、終わってみれば小さな出費、小さな傷で済んで、予後も良いし、良かったです。
ただ、この軟性線維腫、衣服の摩擦が多いところにできやすいとのことなので、今後もまた似たような場所にできる可能性もあります。
それはなるべく防ぎたいので、できるだけ摩擦がないような衣服の脱ぎ着を意識していきたいと思っています。
ガーゼを留めるのにおすすめの肌に優しいテープ
ちなみに、傷口の保護のためずっとガーゼを貼っていたのですが、留めるために使った「スキナゲート」という低刺激サージカルテープが、肌に優しくて良かったです(詳しいレビュー記事はこちら)。