今日は、とても天気が良く、体調もまずまずだったので、前から気になっていた農家レストランアロニアの里ピルカノに行くことにしました。
地図で場所を調べたところ、なかなか遠い。どうしたら一番早く到着できるか考え、私が選んだルートは何やらくねくねした細道。
↑この地図の右にある黄色い道から、中央の網目状の道を通って、左の道に出ようという計画です。
予期せぬ山道
運転手は母。ナビゲーターは私。いよいよ、黄色い道(幹線道路)から細道に入るあたりまでやってきて、「ここを左折!」と元気よく言った私に、母が車のスピードをゆるめて不安げに言いました。
「本当にここでいいの? なんだか山に入っていくよ? 車が通れるの? 遠回りをしてでも、国道を通っていった方がいいんじゃない?」
「えっ。でも地図で言うとこの道がちゃんと通じてることになってるんだけど……。これ、車が通れない道なの?」「わからないけど……」
これから入っていこうとしている道は、確かに、一応舗装はされているものの、車一台がやっと通れるくらいの細さで、山に向かってくねくねと伸び、先が見えません。
「……ちょっと、とりあえず行ってみたい。だってこの道が一番近道のはずだよ?」
渋る母をうながして、私たちはその細道に入っていきました。
ゆるやかな上り坂です。急カーブを繰り返しながら、少しずつ辺りが鬱蒼とし始めます。車の両端に木々が迫ります。明らかに山です。本気で山の中の道です!
↑地図で見たときは普通の道路かと思った道は、実は予期せぬ山道だったのです!
後ろからトラック
そのうち、母が「キャー」と叫び始めました。「後ろからトラックが来てる!」
トラック? そんな、それじゃあ戻るにも戻れないじゃないか。こんな狭い道だもの……。追い立てられるような気持ちで、私は地図を見つめました。
「ここを右折! 多分右折!」「右折? 右でいいの? キャァァァ~~」
「もう母さん絶対こんな道ヤダ! 怖いよ怖いよ」「ヤダとか言わないでよ! この道を選んだ私が可哀想でしょ! 大丈夫だよ!」
と母を励ましながらも、私も不安になってきました。舗装の具合が悪くなり、アスファルトが掘り返されたようにところどころへこんでいます。タイヤがはまり、そのたびにガクンガクンと車が揺れます。
「ああああ~~! 揺れる~! 酔う~~!」
しかしそのとき、正面から軽自動車が走ってきました。ぎりぎりですれ違い、見送ります。「母さん、対向車が来たってことはこの先に道があるってことだよ!」
気を取り直して走り続けます。すると急に視界が開け、太い道路に突き当たりました。
山を越えたのです!
右折して国道に入ると、母が、急速に穏やかさを取り戻していきます。「あ~良かった。母さんはこういう大きな道路が好き」
レストランに到着
↑目的地に到着。
↑野菜スープカレー700円。地場の野菜と米が使われています。スパイスがきいていてピリッとしているけれど、ルウの味自体は甘口。
油っこくないのが私好み。とても食べやすい味で美味しかったです。
目的を無事に果たし、満足して帰路につきました。帰り道は国道を使います。けれど出てくる話題はさっきの山道のことばかり……。
「さっきは余裕がなくて景色を楽しめなかったけど、あの山道、緑がいっぱいで綺麗だったよね? 確か、フキもいっぱい生えてた」と私が言えば、「そうだね、本当に近道だしね。今度、もう一回通ってみる?」と母(あんなに怖がっていたのに……)。
山の中を突っ切る経験など、そうそうできることではありません。今度通ることがあれば、もっと、大自然に抱かれているという感慨を胸に、景色をしみじみと眺めたいです。(後ろからトラックが来なけりゃいいんだけど……)