一昨日行ったデパートで買った若狭塗りの箸。
細く小さな包みに入れて渡されたのを、すでに持っていたデパートの大きな紙袋にまとめて入れました。
帰宅し、箸以外のものは袋から取り出しました。けれど、使うのに急を要していなかった箸だけ、出さずに終わってしまったのです。
紙袋に入れたまま、台所の隅に野菜とともに放っておいてしまいました。
それでも、二~三日中にはなんとかするつもりでした。それが、今日、いよいよその箸を使おうと思って紙袋を探したら、ないのです。
ない! ない! ない!!!野菜置き場であれだけ目立っていたデパートの大きな紙袋がきれいさっぱりないのです。
父に捨てられた?
心当たりがあってざわっとしました。
きっと父です。いつも台所が散らかるのをいやがっている父が、ゴミっぽく放置されているデパートの紙袋を捨ててしまったに違いない!
そして燃えるゴミの日は昨日でした。ゴミ捨て係の父は、中に箸が入っていることにも気づかず、あの紙袋をゴミにして捨ててしまったんだ……。
そう思うのには理由がありました。父はここ二ヶ月間で三度ほど、小さな必需品をゴミ箱に捨てているのです。醤油のフタとか……。
どれも、ゴミ出し日の前にゴミをひっくり返して探して見つけ、未遂に終わっていますが、父の動向には注意せねばと気を引き締めていました。
ですからもう、私の中で、箸は紙袋ごと父に捨てられたという事実はガチガチに固まっていました。
ああ~~早く取り出しておけば良かったよぉぉぉ~。
母はのんき
嘆く私をよそに、母は案外のんきでにこにこしています。「捨てられたとは限らないよ?」なんて言って……。
でも、めぼしいところはすべて探したのです。けれどない。もう、これは99%、いや、1000%捨てられたんだ! せっかく買ったのに~~オヨヨヨ~~。
買ってきてそのまま捨てるなんてどういうことだよ~~。
まあ、とりあえず今のところはうちに使える箸もあるし、今度買うことがあればもっと可愛いのを買おう。……でもあの箸もけっこう気に入ってたんだけどな~~。
捨てられてなかった
と未練を振り切れずにいるうちに父がスポーツジムから帰ってきました。母が「ここにあった紙袋知らない?」と聞きます。「え?」と父。
「捨てた? 箸が入ってたんだけど」「ああ~箸ならよけておいたよ」
ソファーに横たわりながら聞き耳を立てていた私は「なぬ?」と体を起こしました。
父が示したのは、歯ブラシや化粧水の予備が入っている戸棚。
急いで駆け寄って扉を開けると、確かに箸の入った包みが……。ああ……脱力……。
もう二度とこんなことがないように、戸棚からパソコン部屋(和室)まで持ってきて、今、箸は私のすぐ手元にあります。
そしてたまに包みから出して、箸の無事を確認する私……。
大事なものは、買ってきたらすぐにどこかにしまわないとだめですね。