↑こちらの、一見、なんでもないように見える皿。
実は……。
↑真ん中から真っ二つに割れています(泣)。
台所仕事中に不注意で落としてしまい、割ってしまいました。
使い続けたい
こんな風に割れてしまった食器は、普通は捨てるもの。
けれど私は、この皿を、どうしても簡単には捨てる気になれませんでした。
なぜなら、この皿、豆腐の水切りをするのにとっても具合が良いんです!!
↑この、皿の平たさがポイント。縁(へり)が低いので、豆腐の上に重し(まな板など)をのせたときに、重しが縁にぶつからず、しっかりと水切りができるのです。
案外、こういう、豆腐の水切りに適した皿ってうちには他に無くて、この皿がなくなると、地味に困る!!
接着剤で補修できないか
なんとか、接着剤でくっつけて使うことはできないか??
↑そう思って引っ張り出してきたのが、今まで、うちで様々なものの補修(デスクスタンド、ガラケー)に活躍してきた「アロンアルフア EXTRA 速攻多用途」。
一応、製品の用途として「陶器の置物」というのが含まれているから、きっと接着できるはず。
けれど……。
私はそこでちょっと不安になりました。
くっつけるだけなら、確かにできるだろう。
でも、くっつけた後で、豆腐の水切りに使おうとしているんだぞ? 使った後は、ざぶざぶ水洗いもする。そういう使い方に耐えうるんだろうか?
耐衝撃性・耐水性に不安
そこで調べてみたところ、どうやら、このアロンアルファ(瞬間接着剤)は「シアノアクリレート系」という接着剤に分類されるようで、短時間で強力に接着できるものの、
耐水性が無い
耐衝撃性に劣る
耐熱性に劣る(アロンアルファの場合、耐熱温度は約80℃)
と、食器の補修に用いるにはあまり適していない様子。
確かに、瞬間接着剤って、乾いた後がサラサラした感じで、衝撃を新たに加えるとパキッといってしまいそうな危うさがあるよなあ。
食器ではなく、静置できる「置物」なら問題ないんだろうけど……。
じゃあ、何か他に、割れた食器の修繕に良さそうな接着剤ってあるのかなあ?
シリコン系接着剤
そして新たに調べたところ、良さそうなものを発見して、取り寄せてみた!!↓
↑それがこちら! ドイツの「UHU(ウフ)社」が製造しているウフ マックスリペア!!(8g入り386円)
「UHU」は80年以上の歴史がある、ヨーロッパでは有名な接着剤ブランドであるとのこと。(参考:boltonadhesives Our brands)
安全性が高い
↑成分は「シリコーン樹脂」と「二酸化ケイ素」。
どちらも、日本では食品添加物として使用が認められている(*1)ものなので、食器に使用する接着剤としては安全性が高そうなのが嬉しい。(参考*1:wikipedia「シリカ」、食品安全委員会(PDFファイル))
↑溶剤も不使用で、これもまた安心ポイント。
耐水性・耐熱性・耐衝撃性あり
↑また、このマックスリペアは、
耐水性がある(食洗機の使用も可能)
耐熱・耐寒性がある(-40℃~120℃)
耐衝撃性がある
と、なんとも!! タフな使い方にも耐え得そうで、食器の修繕に向いていそう!!
ということで早速! 割れた皿の接着に使ってみることにしました!!
皿を接着
↑フタを外してチューブを押してみると、透明で固めのジェル状接着剤が出てきました。
↑それを、割れた皿の片方の断面に塗っていきます。
↑左右の皿をくっつけて、ぎゅーっと強く押しつけます。すると……。
↑接着面から接着剤がはみ出てしまった!! この事態をうっすら想定していたのに、何も準備していなかった!! 不覚!
はみ出た接着剤をこそげ取る
けれど瞬間接着剤とは違い、この接着剤は「5分以内なら調整可能」とのことなので、すぐに処理すればなんとかなるはず!!
↑というわけで慌てて身の回りを探して、以前購入した「椅子脚カバー」の入っていたプラスチック容器を一部切り取り、接着剤をこそげ取る板として利用することに。
↑こちら。
↑はみ出した接着剤をこそげ取っていきます。
↑なんとか綺麗になりました。
ここまで来れば、あとは乾くのを待つだけ。
24時間後に最終的な接着強度に達するとのことなので、皿を静置しておとなしく待ちます。
24時間後
そして24時間が経過……。↓
↑おそるおそる持ち上げてみたら……お……くっついてる……!!
↑皿の裏面。
↑裏の接着面からも接着剤がはみ出してそのまま固まっていましたが、まあ、裏は見えないからいいや。
固まった接着剤は、固いゴムのような、不思議な感触です。弾力がある感じなので、確かに衝撃に強そう。
豆腐の水切りに使う
さて!! それではこの修繕した皿で、豆腐の水切りを!!
……と思ったのですが、接着剤で接着した箇所が直に豆腐に触れても大丈夫なものなのか……。
食器に使っても安全そうだからこそこの接着剤を選んだのに、最後の最後、私はちょっと不安になってしまいました。
↑成分的には安全そうだし、使用説明に食器(マグカップ)が描かれているし、多分大丈夫だとは思うんだけれど、「食品が触れても大丈夫」とはっきり書かれているわけではない。
体内に入れるものだから、自己判断の「多分」じゃなくて、もっと明確な「大丈夫」のお墨付きが欲しい。
そこで!! マックスリペアの日本での販売元である「ステッドラー日本」に問い合わせて確認してみることにしました。
問い合わせた結果
その結果、お答えいただいたのは
人体にただちに害のある成分を使っているわけではないが、人体へどのような影響があるか検証はしておらず、安全であるという確証が得られていないので、食品に触れる部分には使わないでほしい。
ということでした。
食品が触れても大丈夫だという答えを期待していたのでちょっと残念でしたが、企業として、検証できていないものを「使って良し」と言うわけにもいきませんものね。
……じゃあどうしようか?
考えた結果、修繕した皿にラップを敷いて使うことにしました。
ラップを敷く
↑一手間だけれど、これで豆腐が直接接着部分に触れなくなるから安心!
↑ここに、キッチンペーパーでくるんだ豆腐をのせて……。
↑上に重し(まな板二枚)を置く!
↑皿の縁がまな板に干渉しないから、豆腐を思う存分ぎゅーっとしっかり水切りできる。やっぱりこの皿、豆腐の水切りに便利だわ~!
洗ってみる
しかしこれで終わりではありません。
使い終わった皿は、洗わなければならない……。
食洗機にも対応しているというし、大丈夫だとは思うけれど、洗っている最中に真ん中からパキッと折れてしまわないだろうか……ちょっと怖い……。
けれど洗えないのではこの先食器として使えない。ここは思い切って、普通に洗ってみるしかない。
↑と、思い切ってお湯でざぶざぶ洗ってみましたが、力を入れても折れるような気配は無く、いたって通常通りに洗い終えることができました。
うん、なかなか良い感じ!
これなら、今後も豆腐水切り用として、この皿を活用できそう。
割ってしまったときは青ざめたけれど、なんとか生かせて良かった~!
小鉢の欠けを充填する
皿の接着が上手くいって、この接着剤の性能が気に入った私は、次に、欠けた小鉢の修繕を試みてみることにしました。↓
↑これ! 副菜を盛るのにちょうど良いサイズの小鉢(森修焼)で、十年ほど前から使用しているのですが、頻繁に使っているせいかいつの間にかフチに欠けができてしまいました。
↑器として使い勝手が良いため、フチが欠けてからも使い続けてきたのですが、フチが欠けた食器で食事をするのってあまり気分が良くありませんし、何より、鋭利になっていて危ないんですよね。
うっかり口でもつけようものなら唇が切れてしまいそう。
手に取るときも、欠けに無防備に触ると指を切りそうなので、その部分を持たないようにいちいち緊張しなければいけないし。
この欠けを直して、もっと安心して使えるようにしたい!!
接着剤を小鉢の欠けに盛る
↑というわけで、マックスリペアを欠けにこんもりと盛ってみます。
↑固まるまで24時間放置して完成。充填箇所がボコッと膨らんだ見た目ではありますが、指で表面を触ったときに引っかかりがなく、あの危なかった鋭利さが消えました!
安心して使える
↑早速、直した器に切り干し大根の煮物を盛り付けて食卓にのぼらせました。
欠けたまま使うのとは安心感が段違いです。良い気分で食べられました。
↑食後はザブザブお湯洗いしましたが、それにも当然のごとく耐えてくれました。
これで、この小鉢をもうしばらくは使い続けられそうだ! 食器としての寿命が延びて嬉しい!
う~ん。本当に、面白い使い方のできる接着剤ですね!!
携帯(ガラケー)のヒンジ修理
次に目をつけたのがこちら!↓
↑2018年に壊れて以来、接着修理しても、数ヶ月使っているとそのうち「ボロッ」と再び外れてしまい、こうして壊れることがもはや持病のようになっている携帯(ガラケー)のヒンジ(蝶つがい)。
最近またボロッと壊れて、再接着修理が必要になっていたので、いつもは瞬間接着剤(アロンアルファ)でやるところを、今回はマックスリペアでやってみることにしました。
↑接着箇所に塗って、元通りにしてゴムで固定し、24時間待ちます。
↑24時間後。無事にくっつきました!
今まで、接着修理をしても、うっかり絨毯の上に携帯を落としたりすると、その衝撃で接着箇所が取れてしまうことが何回かあったので、マックスリペアの「耐衝撃性」に期待!
階段の剥がれを直す
↑最後に取りかかったのが、こちらの、階段の剥がれ。
↑一番上の段の木材がこのように剥がれかかっており、母から、「どうにかしたい」と少し前から言われていました。
ここに!! マックスリペアを使ってみよう!!
↑というわけでマックスリペアを塗布。
↑テープで固定して24時間放置。
↑24時間後。剥がれかかっていた木材がくっつき、取り急ぎ危険の無い状態になりました!
気に入った
今回、「豆腐の水切り皿の接着」から始まって、色々なものの修理に使ってみた「マックスリペア」。
接着剤として、けっこう気に入りました!!
こんな、シリコン樹脂を主成分とした接着剤が世の中にあるのだということを初めて知ったのですが、なかなか優秀なものですね!!
くっつくまでに時間(24時間)がかかったり、接着剤自体にボリュームがあるために接着面から接着剤がはみ出やすかったりするのはやや注意点になってくるとは思うのですが、
耐水性があって、接着後の食器をざぶざぶ洗える
硬化後は固いゴムのようになって耐衝撃性に優れる
食器の欠けを埋めるのに使える
なんていうのは、他の接着剤には無い、ユニークな美点だと思いました。
頼れる、実力派接着剤として、今後も色々なものの修理に活用していきたいと思います!
追記:皿は3年7ヶ月もった
2024年追記:上記、ウフで接着した皿ですが、その後、使用を続けながら3年7ヶ月無事に経過していたのが、先日、皿洗い時に接着部分からパキッと折れてしまったので、再接着しました。
これでまた同じくらい使えるかな?
使っているうちにいずれまた再接着は必要になるかもしれないけれど、豆腐の水切り用として使い続けられそうなのは嬉しいです😀