昨年の冬、左手首の調子が悪くなりました。
普通に生活していて、ふと左手を使うようなとき(ドアレバーを押し下げたり、浴槽の縁(へり)に手を着いたりするとき)に、手首が痛い。
↑手首のどこが痛いのか、触ってみると、どうもこの手のひらの右下角にある固い部分に触れるとビリビリ痛い。
四つん這いが原因?
この痛みの原因として思い当たったのは、寝る前のヨガ体操時のポーズ。↓
↑私は、猫背防止のために、2007年から毎晩ベッド(掛け布団)の上で簡単な「猫背治しヨガ体操」をやっているのですが、その中で四つん這いの姿勢をとるときがあります。
↑やわらかい掛け布団の上で四つん這いになるものですから、手首が必要以上に沈み込んで体重がかかり、その際に傷めたのかなという感じがありました。
豆状骨が痛い~TFCC損傷?
調べたところ、この箇所は「豆状骨(とうじょうこつ)」というらしく、この付近の軟骨や靱帯(TFCC:三角線維軟骨複合体)を傷めることを「TFCC損傷」といい、ここが痛くなる人はけっこう多いらしい。(*1)
治療方法としては「安静(保存療法)が原則」(*2)とのことなので、とりあえず、日常生活で左手をなるべく使わないようにして様子を見ることにしました。(参考*1:手くびの痛み TFCC損傷って何?,引用*2:おざき鍼灸接骨院)
寝るときの体勢で激悪化
しかし、そうやってなるべく左手を使わないようにして二週間ほど過ごしても、一進一退しつつ痛みはなかなか良くなりません。
軽度TFCC損傷の治療としてテーピングやサポーターなどでの固定が行われる(*3)とのことなので、私もそういうことを検討しようかな……。
と思っていた矢先。
事件勃発。↓
↑寝ているときに、こんな風に、左手首が内側に折れ曲がった体勢を知らぬ間にとっていて、長時間その状態が続いていたらしく、ふと意識が戻ったときには手首が痛くて少し動かすのも苦労するレベル。
うわっ……これはしまった。と思いつつ、起きて、身支度をととのえようとしましたが、左手を動かすたびに手首にビリビリと電撃のような痛みが走り、上着を羽織る動作もままなりません。
うわあ、やだあ、こんなことならさっさと手首の固定措置を施しておくべきだった……!!
痛む箇所が広がっている
↑痛む箇所は、当初の「手のひら右下角」だけでなく、「小指側の手のひら」と「手首の右側面」に広がっていました。
↑この箇所に触れだけでももちろん痛いのですが、こんな風に小指を外側に広げると途端にビリビリとさらに熱い電撃が走ります。
小指の下には小指につながる筋肉(小指外転筋:しょうしがいてんきん)(*4)があって、小指の動きに連動して突っ張ったり緩んだりします。(参考:*4筋肉動画図鑑)
受傷前はそこに筋肉があることすら意識しなかったのですが、手首を傷めた今、その小指の下の筋肉がめっちゃ痛みで存在をアピールしてくるっ(泣)!!
ガーゼで固定
とにかく、手首が動かないようにとりあえず固定したい。
↑そこで私は、家にあったガーゼ(30㎝×10m)を2m弱に切り、なるべく手首を固定する意識で巻いてみました。
↑手の甲側はこんな感じ。
↑こうすることで手首がグラングランに動くことは防げて、少しはマシになったのですが、頑張って巻いてみても固定具合が甘く、どうしても手首が動いてしまう(60°くらいは曲げられてしまう)。
しかも素人が適当に巻いているものだから、うまく巻けなくて何度もやり直したりして、わりと納得いく出来になるまで時間が(20分くらい)かかる。
いや、このガーゼ固定には限界がありますわ。もっとちゃんとした装具を買う必要がある!!
手首サポーター購入
↑そこで、色々とレビューを読み回り、固定感・装着感の評判が良かったこちらの手首サポーター(ミューラー フィッテッド リストブレイス)(左手用)(2731円)を購入!
アメリカのミューラー・スポーツ・メディスン社(1959年創業。スポーツ医学製品を製造*4)の商品です。(参考:*4ヒストリー ミューラージャパン)
↑ミューラーの手首サポーターの中でも最もサポート強度(固定力)の強いLEVEL3(HARD)に属しています。
手の甲、手のひらに固定具
↑箱の中にコロンと入っていました!
↑取り出してみたところがこちら! まず、手の甲側の、上図青ラインで囲った部分に、平たい固定具(S字形ステー)(手首のねじれを抑える)が入っています。
↑手のひら側側には、手のひらの丸みに沿って湾曲したプラスチック製の軽量スプーン(手首の角度を安定させる)が入っています。
↑こんな感じ。
内側は肌触り良し
↑サポーターの内側は、柔らかで肌触りの良い布地で覆われています。
↑固定具の部分にはクッションが入っており、肌に当たっても痛くない仕様。
左手に装着
↑それでは装着してみます! まずサポーターの下から手を滑り入れ、手のひらのカーブの位置にスプーン(固定具)の湾曲を合わせます。
↑上下二箇所にストラップがあるので、まず、上部のストラップを引っ張って手首のサイズに合わせ、マジックテープで留めます。
↑次に下部のストラップを引っ張って腕のサイズに合わせ、マジックテープで留めたら完了。
↑できました!
すごい固定力
↑手首サポーターを装着した状態で腕を立ててみると……おっ……おおっ!!
手首の力を抜いてダラッとした状態なのに、手首が全然倒れない!! 垂直に立ったままだ! すごすぎ!!
↑腕を床と水平にして力を抜いても全然!! 手首が曲がらない!!
ガーゼ固定と大違いやんけ!!
これはいいわ~。すごく軽くて、締め付け感もなく着けているのが楽なのに、手首はしっかり固定されている!!
3000円近くして、ちょっと高いかなあと思ったけれど、買って良かった~。いやむしろ買わなければ詰むところだった。
一日中サポーターを装着して過ごす
そうして私は、この手首サポーターを一日中装着して過ごし始めました。
手首が動かないので、痛い部分を安静にできている感覚がありだいぶ楽。
指の動きは制限されないので、キーボードのタイピングもできるし(手首に厚みがでるのでやややりにくくはありますが)。
ゴム手袋はギリギリ可
↑かなりパツパツではありますが、サポーターの上からギリギリゴム手袋もはめられたので、この状態で食器洗いなどをおこないました。
蒸れ防止にガーゼ
↑長時間装着しているとサポーターの下が蒸れてくるので、途中からは、最初にガーゼを巻いてから着けるようにしていました。
就寝時はゆるめに
↑また、私が手首を痛めたのは冬だったため、何枚も重ね着をしており、その袖口がサポーターを押し上げて親指の付け根を圧迫する感じになることがありました。
↑寝ている間はそのような圧迫を感じても調整ができないので、就寝時は、最初から親指を穴から外すようにしていました。
また、血流を妨げないよう、起きているときよりもストラップもややゆるめに調整しました。
入浴時は細心の注意で
ただ、一日の中で、唯一サポーターを外さなければならず手首が無防備になるのが入浴時で、このときはとにかく左手首を極力動かさないよう、うっかり手を浴槽の縁に着いたりしないよう、気をつけていました。
丸三ヶ月で就寝時のみの装着にする
そして、「一日中サポーター装着生活」を続けること丸三ヶ月。
手首の痛みはだいぶ和らぎ、完全に痛くないのが100だとすれば90くらいのところまでは持ち直してきていました。
左手首に強い負荷がかかるような動作さえしなければ、痛みはなく、普通に生活できるレベル。
ここまで来れば四六時中の固定は必要ないだろうということで、日中はサポーターを外すことを決定。
↑しかし、就寝時だけは、症状激悪化につながったこの体勢を寝ている間に再びとらないとも限らないので、用心して、サポーターを着けることにしました。
さらに四ヶ月経過でサポーターを外す
日中はサポーター無し、就寝中だけサポーター装着という日々をさらに四ヶ月送り、サポーター生活が七ヶ月経過しようとしていた頃。
手首を傷めたのは真冬だったのに、季節はもうすっかり夏になっていました。
サポーターを着けて寝るとその部分が蒸れて暑いのと、手首の安定感もだいぶ戻ってきたということもあり、思い切って、寝るときに着けていたサポーターを外してみることにしました。
就寝時のサポーターはもう七ヶ月も続けていたものですから、素の手首で寝ることにちょっと怖さがありましたが、いざおそるおそる実践してみると、なんとか無事に朝を迎えることに成功。
こうして、サポーター無し生活を、こわごわながらも再開させました。
さらに一年後~一応手首は無事
2021年7月。サポーターを完全に外してから一年が経過しました。
その後、左手首は、痛みが出ることもなく、一応の安定を保っています。
しかし、ふとしたときに痛くなりそうな気配を感じることがあり、傷めないように、日常生活の動作には気を配り続けています。
1.手首を返す(手の甲側に曲げる)動作をしない
2.重たいもの(調理中のフライパンなど)を片手で持たない
3.手のひらを床に着いて体重を支えることをしない
四つん這い時は指で支える
おそらく最初に手首を傷める原因となったヨガ体操の四つん這いポーズ時も、現在は、手のひらではなく指で体重を支えるようにしています。↓
↑こんな感じ。私が四つん這いになるのはごく短時間(5~10秒程度)なので、この指支え方式でもなんとかなります。
手首の参考可動域(背屈)は70°
↑手首を傷めたあとで調べて知ったのですが、手首を甲側に曲げたとき(背屈時)の参考可動域は70°なのだそうです(*5)。
参考可動域とは…正常な人の関節可動域の、平均値(*6)
四つん這い時、手首の背屈角度は70°を超えますから、やはり手首に負担のかかる運動だったのだなと思います。
(ちなみに、掌屈(手首を手のひら側に曲げたとき)の参考可動域は90°)
手首を大事に
とにかく今後も手首を大事にして過ごし、痛みが出るのを防ぎたいと思います。
万が一また痛くなったときは、あのサポーターにお世話になろうと思います! あのサポーターがあると思うと心強いです!