昨年の夏頃、握力が弱いと病気になりやすいという話をネット上で目にしました。
なんでも、握力が5㎏低下するごとに、
全原因死亡リスクが16%上昇
循環器疾患による死亡のリスクが17%上昇
脳卒中リスクが9%上昇
心臓発作リスクが7%上昇
するとのこと。(参考:exciteニュース(2023年現在リンク切れ)、日経gooday)
握力を鍛えたい
握力……。
日頃、ウォーキングマシンによる歩行運動で、健康に暮らすための最低限の筋力は保ってきたつもりではあったのですが、握力というのはまったくのノーマークでした。
握力なんて何も鍛えていないから、だいぶ弱くなってしまっているかもしれない。これは一念発起して鍛えたいなあ。
長続きさせたい
しかし、どうやって握力を鍛えようかな。
↑パッと思い浮かぶのは、こういう器具(ハンドグリップ)を使って鍛える方法だけれど、道具を使った局所的な筋トレってどう~~も面倒くさくなって続かない気がする。
もっと生活に溶け込んだ、「やるぞー!」と意気込まなくてもできるような方法はないかな?
そこで私が目をつけたのがぶら下がり健康器でした。
ぶら下がり健康器
↑ぶら下がり健康器。
その名前だけは有名で、聞いたことはものすごくあるけれど、実際に見たこと、触ったことは無いアイテム。
でもこれ、握力を鍛えるのに良いんじゃないかと思ったんですよね。
全体重をかけてぶら下がるわけですから、自然と、棒を握った手に「ギューッ」と力が入り、それが握力トレーニングになると思いました。
気楽にできそう
一番のポイントは、立ったまま、何の道具も用意せず取りかかれるというところ。
ぶら下がり健康器そのものを設置する必要はありますが、設置さえしてあれば、日常の中で立って歩くついでにフラッと立ち寄って何気なくぶら下がるだけ。
これなら面倒くさくなく、続けられそうだ。
ぶら下がり健康器の効果
しかも、ぶら下がり健康器の効果について調べてみたところ、これがけっこう魅力的!
ぶら下がることで背骨と背中の筋肉が伸び、
が期待できるというのです。(参考:うすい整骨院、もりたカイロプラクティック)
私はパソコン仕事をすることが多く、猫背になりがちなので、「姿勢矯正」というのにはすごく惹かれました。それに、グーッと背中の筋肉を伸ばせたら気持ちよさそう!
購入
というわけで! 2016年8月、ぶら下がり健康器を購入!↓
↑ぶら下がり健康器 ブラジョイ。(購入時の価格は12601円。)
日本製
ぶら下がり健康器にも色々ありましたが、こちらを選んだ一番の理由はズバリ日本製という点。
やっぱり、できることならメイドインジャパンですよ。清潔そうだし、狂いがなさそう。
SGマーク
↑安全な製品の目印である「SGマーク」がついているのも大きい。私が調べた限りでは、SGマークつきのぶら下がり健康器はこの会社(福島発條製作所)のものしかありませんでした。
組み立て
↑梱包を解くと、保護シートにくるまれた組み立て部品がお目見え。
↑ネジ類はひとまとめにされ、わかりやすく分類されています。組み立てに必要な工具(スパナ)も付属しています。
そして、説明書を頼りに、組み立てていくこと40分……。
完成
↑ジャーン!! 完成!! 白くスッキリした見た目で可愛いです。(畳保護のため、ぶら下がり健康器の下にはポリカーボネート製のチェアマットを敷いています。)
↑さすが日本製、SGマークつきとあって、シンプルながらもしっかりとした完成度。安心して使えそうです。
それでは早速ぶら下がります! 高さは五段階に調節可能(160cm~220cm)なので、まずは足のつく高さから試してみることにしました。
ぶら下がると体側面に痛み
いや~、鉄棒にぶら下がるなんて、小学生のとき以来なんじゃないか? あの頃は
……なんて思いながら棒を握り、足を地面から離してみたところ……。
いでででででで!!
びっくりして、慌てて足を着きました。
……何? この痛さ。1秒しかぶら下がれないんだが??
↑ぶら下がった途端に、この、体の側面がすごく痛いのです。
普段まったく使っていなかった筋肉なのでしょう。急激に伸ばされた感じがあり、強いストレッチをしたときのような状態になったのだと思います。
……ぶら下がるって、こんなに大変だったっけ??
予想とは違う、「ぶら下がる」ということの意外な過酷さに驚きつつも、私はちょっとした楽しさも感じていました。
「痛い」っていうのが、また、やり甲斐を感じるな。
最初は痛くても、きっと、やっているうちに痛くなくなってくるはず。ぶら下がれる時間も延びていくはず。それが楽しみだ。
そしてその日から私は、一日一回、ぶら下がり健康器にぶら下がることを始めたのです。
一週間で10秒ぶら下がれるようになる
その後、毎日ぶら下がっていたところ、記録は徐々に伸び、一週間後には10秒もぶら下がっていられるようになりました。
しかし、時間的な記録の伸びはそこでストップ。
それからは、「毎日10秒ぶら下がる」ことが日課になりました。
痛い場所の変遷
ぶら下がったときに引っ張られて痛む筋肉の箇所は、日を追うごとに変化していきました。↓
↑最初は体の側面だったものが、次はもっと背中の中央寄り。最後は腰のあたり。
それまで平べったかった風船に空気が入れられるような感じといいますか、筋肉が引っ張られ、鍛えられ、膨らんでいく感じがあり、「なんだか、背筋、強くなってきてるんじゃない?」という手応えがありました。
そして数ヶ月も経つ頃には、ぶら下がっても背中のどこも痛くならなくなっていました。
ただし、棒を握る手(手のひら)が痛い。
手が痛いのでぶら下がるのはやはり10秒程度が限度でしたが、それでもとにかく、色んな筋肉が鍛えられていることを信じて、毎日ぶら下がりました。
(最初は素手でぶら下がっていましたが、痛くてマメができるので、途中からトレーニンググローブをはめるようになりました(購入レビューはこちら)。)
一年後…姿勢が良くなった
そして、効果を探りながら「一日10秒のぶら下がり」を続けること一年(2017年8月)。
結論として一番感じたのは姿勢が良くなったということ。
背中全体にうっすらと筋肉がついたおかげで、ペラペラだった背中がしっかりして姿勢をまっすぐ維持できるようになった感じがあり、特に肩甲骨あたりの丸まり(猫背)が改善されたと思います。
本当の「正しい姿勢」とは
いやー、なんだか背筋が伸びたわ~。と、良い姿勢の自分に満足して、立ち姿を横から鏡に映して眺めたり、写真に撮ったりもしました。
そして、すっかり「良い姿勢の人間」の仲間入りをしたと思って、正しい姿勢について調べたところ、今まであまり認識していなかった事実に突き当たりました。
↑というのも、「正しい姿勢」とは、このように、横から見たときに「くるぶし」「肩の中央」「耳の穴」を結んだ線が一直線になるもののようなのです。(参考:第一三共ヘルスケア)
首が前に出ている
それを知って、改めて自分の姿勢を見たところ、「くるぶし」と「肩の中央」を結んだ線は一直線になっている。
しかし、「耳の穴」の位置が、理想より前なんだが??
この、「耳の穴」が「肩の中央」より前にきてしまう(=首が前に突きだしている)姿勢について調べたところ、どうやらそれはストレートネック(スマホ首)と呼ばれるもののようでした。(ストレート=まっすぐ、ネック=首)
↑つまりこのように、本来であれば自然に湾曲している首の骨が、まっすぐになってしまっている状態。
普段、パソコン作業やスマホ操作などで前屈み・うつむき気味になるような姿勢を長く取っていると、ストレートネックになりやすいらしい。
う~ん。確かに毎日パソコン作業を多くしているから、ストレートネックになりやすい環境ではある。
背中から肩にかけてはまっすぐになったけれど、この、「首が前に出ている」というのはぶら下がり健康器では治らないようだなあ。
せっかく良い姿勢になったと喜んでいたのに惜しいなあ。なんとかならないのか。
そう思って、ストレートネックを治すための首ストレッチなどを動画で見て実践したりしましたが、なかなか成果は出ず。
これはもう仕方ないのかと、ストレートネックについてはあまり考えないことにしました。
ぶら下がり健康器での懸垂を試みる
翌月(2017年9月)。
それまでずっとぶら下がり健康器の高さを「地面に足が着く程度」に設定していたのですが、それだとぶら下がったとき(地面から足を離したとき)に膝を曲げなければならず、「体が伸びた」感覚が弱いので、思い切って高さを二段階上げ、ぶら下がっても足の着かない高さに直しました。
そして、さらなる筋力アップを目指して、2017年11月に取り入れることにしたのが懸垂(けんすい)です。
↑懸垂とは、このように、バーにぶら下がった状態でグーッと体を持ち上げる運動のこと。
懸垂により、背筋だけでなく、腕や肩の筋肉も鍛えられる(*1)とのことで、より上半身の強化を目指せると思いました。(参考:*1懸垂の効果・やり方)
5㎝しか上がらないが
しかしながら、この懸垂、やろうと思ってもまったく上がらない。
「ふんが~~~!!」という感じでめいっぱい力を入れるのですが、ちょっと肘を曲げ、5㎝くらい体を引き上げるので精一杯。
その、5㎝体を引き上げた「ふんが~~~!!」の状態でそのまま10秒ほど体勢を保持し、限界が来たら終了。
これが、脳の血管がプチプチいいそうなくらい、かなりキツい。
けれど、今まで鍛えられていなかった筋肉が鍛えられている! という感覚があり、やる気が出ました。
一週間で肩に厚みが出てくる
そうして、「5㎝懸垂」を行うこと一週間。
風呂に入っていて、自分の肩に触ったとき、「あれっ?」と思いました。
なんだか、肩に、うっすらと筋肉がついて厚くなっている??
私は元々筋骨がガッチリしたタイプではなく、特に肩なんて、薄く、小さく、触ると我ながら心配になるくらいのか細さでした。
でもこういうのは生まれもってのものだから、強い体つきではなくても、それが自分の自然な状態なのだから別に良いんだと思って暮らしてきました。
しかし!! あの、骨がすぐ感じられるようだった肩に!! 筋肉がついてフワッとしてきている!!
ヌオーー!!
薄い肩は「確定」ではなく、筋トレすれば変わるものだったんだと、そのとき初めて気づきました。
ストレートネックが改善される
懸垂によって肩に厚みが出てきたのが面白くて、私は鏡で自分の肩周りをよく観察しました。
心なしか、腕にも筋肉がついてきたような……。自分の筋肉を見て惚れ惚れしているボディービルダーの気持ちがちょっとわかるわ……。
と、自分の立ち姿を横から見て、「ん?」と思いました。
あれっ?? 首が前に飛び出してない! 肩の中央ライン上に、耳が来てる!!
↑この、「くるぶし」「肩の中央」「耳の穴」が一直線ライン上にある「正しい姿勢」が、いつの間にか実現されている~~~!!
えーーっ! これって懸垂のおかげじゃない? 懸垂、すごすぎない??
肩周りの筋肉強化のおかげ
懸垂によってストレートネックが改善されたのは、おそらく、肩周りの、首を支えている筋肉が強化されたからなのではないか? と思っています。
ただぶら下がるだけでも背筋は鍛えられましたが、首近くの筋肉をさらに鍛えるには懸垂が有効だったのだろうと思います。
でもまさか、懸垂(しかも5㎝しか持ち上がらない)で首の突き出しが良くなるとは思っていなかったので感動しました。
現在は15秒ぶら下がっている
そして、現在(2017年12月)。
一年以上、ずっと10秒しかぶら下がれませんでしたが、最近は15秒ほどぶら下がれるようになりました。
相変わらず5㎝しか上がりませんが、懸垂も続けています。
ちょっと肩が凝っていても、懸垂をやると一発で解消されるので重宝しています。
肩の丸みが増す
肩の筋肉は11月以降も少しずつ増えてきているような気がしています。肩の厚みと丸みが増しています。
筋トレをすると女性らしい体つきになると聞いたことがあるのですが、確かに、骨張っていたところに筋肉がついて丸くなるのですから、それは言えるなと思います。
いつか、一回でもちゃんとした懸垂ができるようになるのが今の目標です。
握力
ちなみに。
そもそも、ぶら下がり運動を始める動機となった握力についてですが。
これは、握力計を持っていないため、向上したのか、そうでもないのか、よくわからないというのが実際のところです……(汗)。
でも、毎日バーを握って、全体重をかけてぶら下がっているのですから、握力アップしていなければおかしいですよね?
ということで、握力もアップしていると思います!!(いつか、機会があれば計ってみたい……)
継続できそう
そんなこんなで、始めてから一年四ヶ月になった、ぶら下がり運動。
姿勢が良くなったのが目に見える一番の収穫で、それは私にとってとても価値あるものでした。
腕、肩、背中の筋肉のつき具合がどう変化していくのか、観察するのも楽しみの一つになっています。
ぶら下がり運動は、特別な体勢を取ったり道具を用意することなく、思い立ったときにすぐ何気なくできるので、苦も無く習慣化して続けてこられたと思います。
これからも、できるだけ長く続けていきたいと思います!
追記:パワーグリップ装着で記録更新
2022年追記:ぶら下がり運動、開始から五年半が経過しました! いまだに毎日ぶら下がっています!
ぶら下がれる時間は五年間で40秒まで延び、「パワーグリップ」という指の痛みを防止する補助器具を着けるようになってからは55秒~65秒ぶら下がっていられるようになりました。
ぶら下がり健康器自体は購入当初と変わらず、いつまでもしっかりガッシリして安定感抜群です。やはりさすがの日本製。
定年退職後を家で過ごす母も、「背中が伸びて気持ちいい」と毎日ぶら下がっています。
筋力の維持・向上を目指して、今後もぶら下がり健康器とともに歩んでいきます!