↑1993年から、29年もの長きに渡り活躍してくれている日立の洗濯機(NW-60R5)。
↑その名も「
29年ともなると、うちにある現役家電の中でも最高齢で、日立の洗濯機はすごいね、このまま頑張ってくれたらいいね、なんて言いながら毎日大事に使ってきたのですが、それが!! 今年の3月!!
急に故障してしまったのです!!
水が止まらない
↑たとえば水量を「少(35リットル)」に設定してスタートさせると、洗濯槽に水が溜まっていき、35リットルになった時点で水が止まって洗濯が始まる……というのが今までの流れだったのですが、故障してからは、指定水量になっても水が止まらないどころか、満水になっても水が出続け、延々と水が洗濯槽に注ぎ続けられるだけでそれ以降の動作が一向に始まらないという有り様に。
何か、モードを変えれば上手くいったりしないかと、色々やってみましたが、ダメ。
これは……ついに、洗濯機を買い換えなきゃいけないのか??
修理という手もあるかもしれないけれど、29年ものだし、またいつ他の部分が壊れるかわからない。だったらこの際買い換えた方が良いんだろうけれど、洗濯機って、高価だなあ……。そんな急出費、ちょっと想定外で痛いなあ……。
バケツで洗濯してみる
と、即決できずもたもたしているうちに洗濯物が溜まってきてしまったので、とりあえず家にある一番大きいバケツ(13リットル)を使って洗濯を試みてみることにしました。↓
↑バケツに洗濯液を作り、ネットに入れた洗濯物を入れて押し洗い。
……けれどこれが、案外重労働。水を吸った洗濯物はズッシリと重く、ギューッと一度押し込むだけでもけっこうな力が要ります。
その後のすすぎも大変。水を替えては押し洗い……というのを繰り返しますが、洗剤成分が本当にすすぎ切れたか不安で、最終的には洗濯物を一枚ずつ洗面台のシャワーで手洗いしたりして、もう、なんなのこの労力!! 疲れすぎるんだけど!!
幸い、故障した洗濯機において、脱水機能だけは生きていたのでそれは洗濯機でおこないましたが、濡れた洗濯物を脱水のために洗濯機に移すのもまた大変で、床がベシャベシャになったりして、洗濯機というものが日頃どんなに日常を助けてくれていたのか、どんなに偉大な家電なのか思い知ることになりました。
洗濯機のない時代の人はすごかったんだな!! こんなことを毎日やっていたのか。半日つぶれるよ!!
急いで決める
車で数分ほどのところにコインランドリーがあり、いざとなればそこを使おうかとも考えていましたが、調べたところ、一回の洗濯に400円もかかるそうで、それは高い!!
というわけで、なるべく早く新しい洗濯機を買った方が良いということになり、選定に入りました。
メーカーは、前機種と同じ、長持ちしてくれそうな日立。
日立の洗濯機の中から、
縦型の全自動
容量は8㎏(前機種が6㎏でけっこうギリギリだったので)
という条件で探して、決めたのが、日立全自動洗濯機「ビートウォッシュ」!
ナイスネーミング
前機種は「
汚れ落ちの良さそうな名前です。
日立ってネーミングセンスがあるなと思いました。
ビートウォッシュ到着
↑そして注文から四日後、ついに届いた! ビートウォッシュ!!
容量を前機種よりも2㎏増やしたため、もっと大きくなるかと思っていましたが、意外と前機種とあまり変わらない存在感で収まってくれました。
かかった合計金額は約92000円。
本体+設置費用…86470円
リサイクル搬送費…550円
家電リサイクル料金…2530円
洗濯機用ニップル(蛇口部品)交換費用…2900円
合計…92450円
↑シンプルで、高級感あるデザイン。
操作パネル
↑操作パネルは、前機種はボタンがポチッと飛び出した感じのものだったのに対し、ビートウォッシュは平たいものに。これは、前機種の方が、軽い力で押せて良かったかも。
基本的なメニュー内容自体はあまり変わっていませんが、お風呂のお湯が使える機能があったり、送風による簡易乾燥機能(エアジェット)があるところに進歩を感じます。
フタ
↑フタは、前機種は真ん中から折り曲げられたのですが、ビートウォッシュは上部だけを少し折りたためる仕組み。
↑完全に伸ばすとこんな感じ。
フタを閉じたときの傾斜
上述の、折り曲げられ方の違いに関しては「まあ、こんなものか」という感じで気にならなかったのですが、ちょっと想定外だったのがフタを閉じたときの角度。↓
↑フタを閉じたとき、前機種は床に対して水平だったのですが、ビートウォッシュは、こんな風に、奥から手前に向かって傾斜がついているんですよね!
手前が低くなっていることで洗濯槽から衣類が取り出しやすくなる利点はあると思うのですが、洗濯機のフタの上は一時的な物置き場として使うことがけっこうあったので、傾斜がついたことで物置き場としては使いにくくなりました!
↑そこで、洗濯機のフタをなるべく平たい状態にして物を置きたいときに、苦肉の策でやっているのがこちら。
↑これでも水平というわけにはいかない(手前の方がやや高くなる)のですが、少しはマシになります。
洗濯槽の底が立体的
↑そして、パッと中を開けてみて驚いたのは、洗濯槽の底(回転羽根)がすごく立体的だったこと。
↑まるで波のように、中央は出っ張って、周辺は引っ込んで……。
↑前機種の回転羽根はこんな風にわりとシンプルな形状だったので、さすがの進化を感じました。
ビートウィングX
(画像出典:日立公式サイト)↑調べたところ、この回転羽根は「ビートウィングX」というもので、汚れ落ちを良くするために工夫された形状のようです。
「洗濯板効果を生むビートボール」なんて書いてあって、やっぱり昔ながらの「洗濯板」って洗濯においては最強なのかなと思ったりしました。
途中でフタを開けると止まる
まあ、とりあえず使ってみなければ何もわからないと思い、初めて使ったときに「え゛っ」と思ったのは、洗濯の途中でフタを開けると動作が止まってしまうこと。↓
↑洗濯物はどうなっているかな~と、ちょっとでも中を覗こうとすると、このようにたちまち「C3」エラーが出て止まってしまいます。
……私は、洗濯物が洗濯機の中で回転しているのを見るのが好きで、汚れが落ちて水が濁っていく様子などを観察して達成感を得ていたので、この、ビートウォッシュの覗き見防止徹底ぶりには「どんだけ秘密主義だよ!!」と頭を抱えたくなりました。
前機種は、さすがに脱水途中なんかはフタが開けられませんでしたが、洗濯の最中はその様子を惜しげもなく見せてくれていたので、ビートウォッシュでも当然に見られるものだと思っていました。
今どきの洗濯機って全部こんな感じなんですかね? せめて、小さなのぞき窓のようなものがあれば良かったのに。趣味を一つ奪われたような気分です……(笑)。
前機種の洗い上がりに近づけるすすぎと脱水の設定
前機種では、「すすぎ」は「念入りモード2回」、「脱水」は「6分」でやっていて、それが好みでした。
ビートウォッシュでは、最初、試しに「すすぎ」を「2回」、「脱水」を「6分」でやってみたところ、洗濯物に洗剤の香りが残りすぎているし、脱水も甘い結果に。
そこで、色々やってみた結果、
すすぎ…ナイアガラすすぎ2回
脱水…高速9分
で、前機種と似た仕上がりになって納得しました。↓
ナイアガラすすぎとは
「ナイアガラすすぎ」とは、ナイアガラの滝のような大流量のナイアガラシャワーと高速回転で、繊維の奥の洗剤まですすぐモード(*1)のこと。
この「ナイアガラすすぎ」が標準のすすぎでも良いんじゃないかと思うくらいなのですが、恐らく、標準よりは使用水量と電力が多少増えるので、節約志向の方のために標準ではオフになっているのだと思います。(参考:*1日立公式サイト)
高速脱水とは
脱水は「1、3、6、9」分で設定ができますが、脱水ボタンを3秒長押しするとさらに「高速」設定ができます。
前機種では6分で到達していた脱水レベルに、ビートウォッシュは高速9分(脱水として設定しうる最高値)でようやく追いつくか追いつかないかレベルなので、標準の設定としては絞りがちょっと甘い、良く言えば衣類に優しい設計になっているのかなと思います。
カラッとさせたいときに使えるエアジェット
脱水の設計がやや優しい感じになっているビートウォッシュですが、そこを補い、さらに衣類をカラッとさせることができるのが、「エアジェット」という機能。↓
↑エアジェットは、洗濯槽内に空気を取りこみ、風の力と高速回転で洗濯した衣類の水分を飛ばす簡易乾燥機能(*2)。
脱水を終えた洗濯物を入れ、「30分、60分、120分、180分」のうちどれかを選んでセットします。
「高速9分」の脱水でもだいぶ満足できる仕上がりになるので、それ以上乾かさなくても大丈夫な気分ではあるのですが、実験のために試しに「30分」のエアジェット乾燥をしてみたところ、確かに、10%ほど乾きが良くなった感じがありました。
30分でも効果があったので、60分、120分……なんてやると、だいぶ良い感じに乾くんだろうなあと思います。扇風機にずっと当て続けた感じといいますか。(参考:*2エアジェット乾燥について)
電気代
でも、エアジェットって電気代がかかりそうだな……と、積極的に使うのもちょっと不安な感じだったのですが、同じ日立の「白い約束」という洗濯機におけるエアジェット乾燥は「150分で6.3円」(*3)とのことなので、30分なら約1.3円程度と推測でき、そこまで心配するほどでもないのかなと思いました。(参考:*3エアジェット乾燥について)
ヒーターを使わない分、経済的なのだそうです。
特に夏場、洗濯物が乾きにくくなる時期に使えそうな機能です。
美点1・ネットから洗濯物が飛び出さない
前機種と基本的な使い心地(汚れ落ち、脱水後の乾き具合等)がそこまで異なる感じもしないビートウォッシュなわけですが、はっきりと「ここは良くなった」と感じる点もありました。
まず一つ目は、洗濯ネットに入れた洗濯物が飛び出さないこと。↓
↑こちら、ビートウォッシュで脱水まで終えたあとの洗濯槽。ネットに入れた洗濯物が、一つも外に飛び出していません。
前機種は、何かと動きがパワフルだったのか、ネットを二重にしていても、脱水が終わるとファスナーが一部開いてそこから洗濯物が全部飛び出していることが常だったので、この、ビートウォッシュの「ネットから飛び出していない仕上がり」には「どうやってんの??」と感動を覚えました。
美点2・洗濯物がふんわり仕上がる
あと、これも驚いたのですが、脱水を終えて干した洗濯物が、乾くと、ふんわりやわらかに仕上がっているんですよね。↓
↑前機種では、タオルなんかは、干すと、バリッバリのゴワッゴワに仕上がって、それはそれで「洗濯した感」があり、イヤではなかったのですが、ビートウォッシュで洗濯・脱水したタオルは、干すとなぜかやわらかいんですよ。新しいタオルを洗濯したときのように。
何かきっと、洗濯・脱水工程の中で工夫がされているのでしょうね。
洗濯物の肌あたりがやわらかくなったので、特に布ナプキンなんかは使いやすくなってありがたいです。
美点3・洗濯物のシワが少ない
前機種では脱水後に洗濯物がシワシワになっていて、なるべくパンパン! と伸ばして干して、それでも若干シワっぽかったのですが、ビートウォッシュは脱水後の洗濯物がシワっぽくなくて、そのまま干してもけっこう綺麗に乾きます。↓
↑こちら、母の寝間着。脱水後、特に伸ばすこともせずハンガーにかけて乾かしたのですが、シワもなく、そのまま着られる感じに仕上がりました。
洗濯物がシワになりにくいのは、地味に、洗濯物干し時の手間軽減につながります。
美点4・糸くずフィルターが良くなった
そして、これは特に母が喜んでいる点なのですが、糸くずフィルターは使いやすくなりました!
↑ビートウォッシュの糸くずフィルターは、このように、洗濯槽内部の下部に二箇所、縦長の大きなものがついています。
↑母が言うには、前機種では、糸くずフィルターが上部についていたため、水量が少ないとゴミがうまく取れないという問題があったとのこと。
それが、ビートウォッシュでは下部についているため、低水位でもゴミが取れるようになったのが良い! ということでした。
糸くずフィルター掃除の仕方
↑フィルター手入れも簡単。まず、フィルター上部のつめを押し、パコッと手前に倒して取り外します。
↑こちら。
↑「両脇を持って引く」と書いてあるフタをスライドさせると……。
↑糸くずゴミが。これをゴミ箱のフチなんかに軽く叩きつけて落とし、目詰まりを洗い流せば完了です。
前機種はこのフィルターが
ただ、新ゴミ取りフィルターには「目詰まりを洗い流さなければならない」という網袋タイプとはまた別の煩雑さがあって(しかも二つあるから作業も二回)、フィルター掃除の楽さだけで考えると前機種の方が良かったかなと思ったりもします。
総じて満足
日頃、最新の洗濯機をチェックすることなどまったく無く、急に故障してしまってよく調べる暇もなく、ただ「今まで使っていた日立の洗濯機が良かったから次も日立で」という単純な理由で、他社の洗濯機と比較検討することもなく、ついている機能も知らないままに買った洗濯機でしたが、おおむね満足して使えています。
前機種に比べ、汚れ落ちの良さは変わらないのに、衣類への当たりがやわらかくなって、仕上がりがふんわりするところは洗練されたなと思います。
ただ、ちょっと洗練されすぎというか、洗濯中にフタを開けて中を見ようとするとただちに止まる繊細さはもうちょっとどうにかしてほしかったです(汗)。
前機種が29年もったので、このビートウォッシュも長持ちしてほしいです!