仕事から帰ってきて、疲れ果てた様子でソファーに横たわっていた母が、私が通りすがったときに「お茶……」と弱々しく声を出しました。
「え? お茶?」
「おにぎり……」
「おにぎり?」
半べそ
母は、半べそを(わざと)かきながら私に言います。
「前、夜食に作ってもらった梅干しのおにぎりが美味しくてね、あれがまた食べたくてね、今、ご飯を炊いてる。お茶を飲みながらおにぎりを食べて一服したいだね」
「ご飯炊いてるの?」
「ウン」
(いつの間に……!)
確かに二週間ほど前、母に胚芽米ご飯の梅干しおにぎりを作ってあげたことがありました。あれがそんなに美味しかったのか……。
(※うちでは、メインの食事の主食としては玄米ご飯を食べますが、間食には胚芽米ご飯を食べています)
台所に行くと、炊飯器の中に、胚芽米ご飯が炊けていました。私はやかんを火にかけながらおにぎり作りにとりかかりました。
↓小鉢にラップをしいて、ご飯をよそり、中央をくぼませて梅干しをのせます。
↓ラップごとおにぎりの形に握って……。
↓先月編み出した「おにぎり塩振り法」で全体に塩をまぶします。
↓海苔にくるんで完成。
やかんに沸いたお湯で煎茶を淹れ、母に、おにぎりとともに持っていきました。
するとソファーから起きあがった母は、「元気100倍! これで一服するだよ」と言いながらおにぎりにかぶりつき、お茶をすすっていました。
梅干しおにぎりくらいならいつでも作りますよ母さん……。