以前も書いたように、私は
↑丁子は、別名「クローブ」で、スーパーの香辛料売り場に置いてあります。
福井旅行の際に、宿泊した旅館の部屋の備品として「丁子染めの靴下」が置いてあり、それの香りをとても気に入って、以来、丁子が好きになりました。
丁子の香りの線香
丁子好きな私としては!! 丁子の香りの線香があったら良いのになと思うわけです。
そこで、「丁子 線香」で検索をかけて、見つけたんですよ!!
スパイシーな丁子を中心にした伝統的な香り
と商品説明にある線香を!!
それが、
↑この線香には、とても興味を持ちました。せっかく、丁子の香り主体の線香を見つけたのだから、買えば良いのです。
そうなのですが……。
どうしても、私はこの仙年香を買うことができませんでした。
なぜなら……仙年香が安すぎるからです!!
安くて怖い
仙年香は、125g(約320本入り)で、702円。
一本あたり約2.2円という、経済的な線香です。
しかしこの安さが私は怖かった。
私が今まで購入した線香の中で、最も安かったのは「くすの木せんこう」。
けれどこの「くすの木せんこう」でさえ、70g(約220本入り)で900円程度と、1本あたり4円は超えているのです。
それが、仙年香はいきなりその半額??
安い理由を考えてしまう
……やっぱり、お買い得な値段になるには、それなりの理由があるんじゃないかと思ってしまうのです。
高価な香木は使えないから、大量に安価な人工香料を使っているんじゃないかとか……。
屋外の墓参りなどで使うならまだしも、室内で焚く線香で人工香料がきつすぎると、匂いに酔ってしまって、具合が悪くなってしまいます。
仙年香って、そういうたぐいの線香ではないのかなあ?
……と、興味より恐怖が先に立ち、気になりつつも回避する生活を三年以上は続けていたと思います。
700円捨てるつもりで
しかし。やっぱり気になることは気になるんですよね。この線香。
どんな香りなのか、少しでもヒントを得たくてネットの口コミを探したのですが、この線香のレビューは非常に少なくて、香りの想像がまったくつかない。
お試しサイズでもあれば一番良かったのですが、最小サイズでも320本入りで、いやそんなにいらないよと思いながらも、もう、ここまで来たら一回買ってみるしかなくない?? という思いを抱くに至ってきました。
もし、人工香料のきつい線香だったら、ほとんど使えないままに廃棄することになるかもしれない。
そうなったら、700円をドブに捨てることになってもったいないな……。
でも!! もう、それでもいいや!! 丁子の匂いが主体の線香って、どんなものなのか、超気になるもん! 一度買ってみよう!!
↑というわけで!! ついに買ってみた!! 噂の仙年香!!
見慣れぬ素材
↑「スパイシーな丁子の伝統的な香り」!! そうそう、これが気になってたんだよ!!
↑箱を開けると説明書きが入っていました。
それによるとこの仙年香、1904年(明治37年)に発売されたとのことで、けっこうなロングセラーですね。
そして、入っている素材として書かれていたのは
丁子、桂皮、山奈 、甘松 、天然龍脳、藿香 、白檀、ベチベル草
と、かなり聞き慣れない名称の数々。
丁子、桂皮、甘松、龍脳、白檀あたりはまあよく聞きますが、山奈とか、藿香とか、ベチベル草って……聞き慣れないです。
特に、なんだよベチベル草って!!(笑)
と思って調べたところ、ベチベル草は別名「ベチバー」ともいうようで、インド原産のイネ科の多年生草本。
森林や草原を思わせる香りで、その香料は香水「シャネルNo.5」にも使われているとのこと。へえ~、そうなのか。(参考:wikipedia、ベチベルライフ)
山奈、藿香について
その他、初耳の二種についても調べたところ、
……とのことで、人工香料系というよりはわりと自然系なのかな? という印象。香木より、生薬が多く使われていますね。
変わった香り
↑説明書きをめくると! おっ! すごく真っ黒!!
↑一本手に取ってみると、なんだか線香表面がすごくデコボコ、ザラザラです。指の皮膚に引っかかる感じ。
何か、粒子の粗い材料が入っているのかな?
そして、ついにその匂いを嗅いでみたところ……。
………………ん?
……なんだこの香り。なんていうんだろう。
おばあちゃんちのタンスを思わせるような古風な甘い香りに、酸味が混ざったような??
けっこう変わった香り。系統としては零陵香(レビューはこちら)が近いかも? 全然、私がイメージしていた丁子っぽさは無いです(汗)。
焚いてみた
そのまま嗅いだら丁子っぽくなかったけれど、煙は違うかも。どんな香りなのか早速焚いてみたところ……。
おっ。これは……。
これは、何だ? やっぱり丁子の香りとは違う。
夏の、湿度が高い草むらの香りに、甘さを足した感じの香り。
うん。「草むら」というのが一番近いんじゃないかなあ。
香りは意外と控えめで、供養部屋を閉め切っていればほとんど匂いは漏れてこず、その点はホッとしましたし好印象を持ちました。
案外使えそう
というわけで、初の「仙年香」。
これだったら一箱使えそうだぞ!! というのが、一番思ったことです(笑)。
安いので、香りもあまり上品ではないのかと危惧していましたが、意外とそんなことはなく、この値段でこの香りならお買い得なんじゃないかと思いました。
さすが、百年以上売れ続けているお線香なだけありますね!
普段使いにお手頃な線香を探していて、けれどあまり人工的な、キツすぎる香りはイヤだという方にお勧めできるものだと思います。
いやー、気になり続けていた「仙年香」をやっと試せて!! 良かった!!(追記:その後、無事一箱使い切りました!)