昨年の7月に初めて取り寄せて以来、気に入って、週に数回は食卓に上るようになった久米島産の天然太もずく。↓
↑まとめ買いした方が安いので、定期的に10袋入りを購入しています。
様子がおかしい
↑先日、もずくの在庫がちょうどなくなったため、取り寄せてあったもずく(10袋入り)の段ボールを開封しました。
↑段ボールから一袋抜き取り、塩抜きをするために、いつものごとく塩水(1リットルの水に塩大さじ1)にもずくをドボンと入れます。
……しかしここでちょっと違和感。
スルッと落ちすぎ
もずくは、パッケージからボウルに移すとき、その粘りけでパッケージにへばりついて、いつもなかなかボウルに落ちないのです。
なのに、今日はやけにスルッと、抵抗なくボウルに滑り落ちた。
↑もずくを出したあとのパッケージ内部もやけに綺麗。いつもはもっと、細かなもずくがくっついて残っているのに。
泡立っている?
↑それに、もずくの入った塩水の表面が、なんだか泡立っている。こんな泡、いつもは発生しなかったような……。
パッケージが違う
↑私はふと、改めてパッケージを見ました。……「沖縄県産 太もずく」……。あれ、このパッケージ、前は「天然太もずく」って書いてなかったっけ? なんだ? 商品リニューアルでもしたのか? だから、いつもと感じが違うのか?
別の商品だった
そう思って調べてみたところ、なんと、私が開封したのは、いつも買っている「久米島産の天然太もずく」ではなく、養殖ものの「沖縄県産太もずく」であることが判明。↓
エ゛ッ……。なんで? どういうこと? 注文するとき、うっかり間違えちゃったのか? そんな記憶はないんだが……。
↑慌てて購入履歴を調べてみると、ちゃんと、「久米島産の天然太もずく」を買ったことになっていました。
……私が注文した「天然太もずく」は7128円。届いた「(養殖)太もずく」は5184円。
うわあああ~~このままだと2000円近く損をすることになってしまう~~~。
でも、まさか商品が別物だとは思いもしなかったから、何の疑いもなく一袋開けちゃったんだが??
この状態でも、返品とか交換に応じてもらえるんだろうか?
交換してもらえることに
不安に思いつつも店舗に連絡してみたところ、開封してしまった一袋を除く9袋を送料着払いで店舗に返送し、替わりに正しい商品(天然もずく×10袋)を新たに送っていただけることになりました。
どうなることかとヒヤヒヤしましたが、お店がきちんと対応してくださってホッと一安心……。
それにしても……ひょんなことから養殖もずくを手に入れられてしまった……。
「養殖もずく」というもの
売られているもずくには、「天然」と「養殖」の二種類があることは知っていました。
「天然」と銘打たれているものはそうでないものより高価で、その価格分の違いがどのようなところにあるのか? たいした違いがないなら安い方が良いと思い、調べたことがありました。
するとわかったのは以下のようなことでした。
天然もずく…岩(珊瑚礁)の上などに胞子が発芽し、自生している(群生せず点在)。一つ一つ手摘みするためぬめりや太さを維持した状態で収穫できる。
養殖もずく…水深5~10メートル前後の海で、種付した網(ネット)を海底から約50センチ上で固定して育てる(群生)。掃除機のように海水といっしょにポンプで吸い上げて収穫する。
どちらも自然の海で育つことには変わりなく、養殖だからといって人工的な栄養分や薬剤が添加されているわけでもなく(*1)、収穫方法に違いはあるものの品質的にはそうかけ離れたものでもなさそう。(参考*1:もずくの品質基準)
だったらお得な養殖もずくを買っても良いのではないか?
……と、私個人は考えていたのですが、母が、「なんとなく養殖というのに抵抗がある」と言うので、それを尊重して天然もずくを買い続けてきました。
天然もずくと養殖もずくを比較
けれどこうして今回、期せずして養殖もずくが手元に来て、養殖もずくというのがどんなものなのか、実際に試せる機会がやってきました。
よし、こうなったら、せっかくなんだから「養殖もずく」をよ~く観察して、「天然もずく」と何が違うのか見極めてみよう!
水切れの良さ
ということで、塩抜き作業を進めるべく、塩水に浸けていた「養殖もずく」をザルにあけたところ、早速違いが現れました。↓
↑もう、あっという間に水が切れてしまった。
↑「天然もずく」は、ザルにあけてもこのように水がひたひたとなって簡単には水が切れません。
「養殖もずく」は「天然もずく」よりぬめりが少なく、サラッとしていて、そのために水切れが良いということが言えそうです。
匂いが違う
あと、匂いの違いも感じました。
「養殖もずく」はとても磯臭いです。少し離れた場所からも匂います。海の匂いそのもの。小学生のときに海水浴に行って、あのとき、こういう匂いがしてたよなあ~という懐かしさに浸れる匂いです。
「天然もずく」は匂いがかなり弱いです。鼻を近づけて嗅げば多少は磯臭いのですが、「養殖もずく」のそれとはまったく質の違う、静かな匂いです。
水洗い中の様子
↑水洗い中の様子はこんな感じ。「養殖もずく」は水を吸って、一本一本がやや太くなっています。
↑「天然もずく」はこちら。「養殖もずく」に比べると水を吸わず、しなやかな雰囲気を保っています。
水切り後の様子
↑水洗い後に水切りした「養殖もずく」。
↑もずくが水で膨張し、表面がザラザラした感じになっています。
↑こちらは水切り後の「天然もずく」。
↑潤いが保たれ、ツルッとツヤツヤしています。
水切り後の重量
↑一番驚いたのが水切りした後の重さ。「養殖もずく」は、内容量500gだったものが、なんと、952gに大増量。
水を吸っているとは思っていましたが、吸い過ぎやろ!!(笑) これだけ増えるんだったらお得とも言えるのかな。
↑対する「天然もずく」は、500gだったものが274gに減りました。いつもこんな感じなので、余計に、養殖もずくが増量したのにはびっくりしました。
実際に食べてみる
↑それでは実際に、「養殖もずく」をもずく酢にして食べてみます!
↑水切り後も磯臭かったので、そういう匂いがするのかな~と思っていたのですが、調味料と和えたものを実際に口に運んでみると意外とまったく磯臭さは感じず、普通に、もずく酢として美味しいです。
「天然もずく」に比べると、太くて、ザラザラしていて、ボリボリ、サクサクと歯切れの良い食感。
↑「天然もずく」は一本一本が細くしなやかで、とろみとぬめりがあり、スルッとしたのど越しを楽しめる感じ。
養殖もずくも悪くはない~大きな違いはぬめり
以上、実際に「養殖もずく」と「天然もずく」を比べてみたわけですが、養殖もずくも悪くはなかったです。
もずくとして美味しいですし、塩抜き後は増量するのでお得感もあります。
ただ、想像以上に違いはあったなというのが正直なところ。
大きいのはぬめりの差ですね。
「天然もずく」は手摘みだけれど、「養殖もずく」は掃除機のような機械で海水ごと吸い取るとのことで、おそらくそのときにぬめりがこそげ落とされてしまうのかなと思っています。
もずくを守るぬめりが少ないから水も吸収しやすくて、膨張し、サクサクした仕上がりになってしまうのかなと。
もずくとして、「養殖もずく」でも十分に満足なんだけれど、贅沢を言わせてもらうのならば、やはり「天然もずく」の方がもずく特有のぬめりをより楽しめるという点で価格分の価値はあるかなと感じました。
フコイダン目的で天然もずく
うちでは、モズクを、その美味しさもさることながらフコイダン(ぬめり成分に含まれる水溶性食物繊維。抗ガン作用・抗ウイルス作用等(*2))が魅力で食べているので、ぬめりが多い天然もずくを、これからも買っていこうかなと思いました。(参考*2:フコイダンについて)
でも、養殖もずくも試せて良かったです! 値段を気にしないでもずくをたくさん食べたい気分のときには、養殖もずくを買おうと思います!
養殖もずくはこちら↓
天然もずくはこちら(久米島産は収穫不足で休売のため、石垣島産のリンクを張っておきます)↓
沖縄海星物産