こちら、直近に作ったヨーグルト(ヨーグルトメーカー使用)。↓
↑このヨーグルト、なんと……。
2021年11月にABCT種菌で作ったヨーグルトを、246回も植え継ぎして作ったものなのですーーー!!
「植え継ぎ」とは以下の工程を繰り返すこと(「種継ぎ」と呼ばれることもあります)。↓
ヨーグルトができあがる。
そこから一部(私の場合は112g)を種菌として取り、「スキムミルク(脱脂粉乳)+水」(or牛乳)に溶かして発酵させてヨーグルトを作る。
(※スキムミルクによるヨーグルトの詳しい作り方はこちらの記事参照)
一回分(約1㎏)のヨーグルトを作るのに要るのはスキムミルク100g(+種菌として使うヨーグルト112g)だけ!
ですから、主にかかる費用はその分の130円程度(*1)のみ!!(注*1:業務用スキムミルクををまとめ買いしたときの価格)
130円で1㎏のヨーグルトが作れるのですから、とてもお得!! なのです!!
長く植え継ぎするためのコツ
↑このように! 246回植え継ぎしても、まるで新品の種菌で作ったように綺麗な出来映えで、スッキリとした美味しいヨーグルトに仕上がっています。
ただ、私も最初からこんなに長く継げたわけではなく、一進一退ありながら、四度目の挑戦でやっとここまで到達しました。
どうしたら長く植え継ぎしていけるのか? 自分なりに感じたことをまとめたのでご紹介します。
コツ1:ABCT種菌を使う
↑まず一つ目のコツは、一番最初のヨーグルトを作る際にABCT種菌を使うということ!!(ABCT種菌を使ったヨーグルトの作り方はこちら)
ABCT種菌は、タニカ電器(ヨーグルトメーカーの販売会社)の、四種の乳酸菌が入ったオリジナル種菌なのですが、この種菌が強いんですよ。
私は過去に、市販のヨーグルト三種(R1(固形)、R1(液体)、LG21(固形))と、ヨーグルト種菌二種(記事にはまだしていない)を種菌にしてヨーグルトを作ったことがあり、それでも植え継ぎの実験はしてみたのですが、ABCT種菌はダントツで植え継ぎに向いていました(回数を多く継いでも劣化しにくい)。
やり方次第では他の種菌でも上手く継げるのかもしれないし、私が知らない「継ぎに向いた種菌」が他にもあるかもしれませんが、現時点では、個人的には、長期間の植え継ぎを期待するならABCT種菌をお勧めしたいです。
コツ2:使う器具は煮沸消毒する
↑スキムミルクを水に溶かすときは泡立て器を使うと早いのですが(私が使っているのは下村企販スリム泡立て器)、この泡立て器は、面倒でも、使う前にグラグラの熱湯で2分ほど煮沸消毒します。
煮沸消毒が十分でない泡立て器を使ったとき、雑菌が入ったようで、納豆のように粘るヨーグルトができてしまいました。
長く継ぐ前提ではなく、一回で食べきる予定のときも、泡立て器は煮沸消毒した方が良いです。
(ヨーグルトメーカーに付属の内容器とヨーグルトスプーンももちろん、説明書の通り、電子レンジで加熱殺菌します)
コツ3:作業時は清潔な綿手袋をはめる
↑ヨーグルト作りのときは、洗濯した、清潔な綿手袋をはめるようにしています。
試したことはないですが、使い捨てのゴム手袋でも良いと思います。
手についている雑菌がヨーグルトに混入するのを防ぎます。
コツ4:器具は空中保持する(どこかに置かない)
↑ヨーグルト作りのときは、①泡立て器と②ヨーグルトスプーンを使うのですが、作業中、このどちらも、使い終わるまではどこかに置かずに空中で保持するようにしてください。
一時的に両手がふさがるのでちょっと大変ではあるのですが、こうすることで、器具に雑菌がつかないようにします。
↑最初の頃は、このように、調理台の上にラップを敷いてそこに使用途中の器具を置いていたのですが、こうすると雑菌が付いてしまうようで、それを再び使って作ったヨーグルトは劣化しやすく、長く継げませんでした。
ラップの上って清潔に見えても意外とダメなものですね。
置いても大丈夫な唯一の場所
↑唯一、器具を置いても大丈夫な場所は、種菌として使うヨーグルトの中です。作業中、ヨーグルトスプーンはたまにこうしてヨーグルトの中に置くことがあります。
コツ5:種菌として使うヨーグルトは奥の方から取る
ヨーグルトを継ぐときは、「スキムミルク+水」溶液(or牛乳)の中に種菌としてのヨーグルトを入れることになるのですが、この、種菌ヨーグルトを取るとき、表面を取り除き、奥の方からすくうと良いです。↓
↑まず、できあがったヨーグルトの表面にスプーンを入れ、大きくすくいます。
↑すくったヨーグルトは一度
↑そして、できた穴を掘るように、奥のヨーグルトから種菌分(112g)をすくって「スキムミルク+水」溶液(or牛乳)の中に入れて混ぜます。
奥のヨーグルトの方が空気に触れておらず乳酸菌が元気で、継いだときにも劣化しにくくなります。
コツ6:スキムミルクをやや多く入れる
↑これは、牛乳ではなく「スキムミルク+水」で無脂肪牛乳に相当するものを作ってヨーグルトにする方に向けてのコツになるのですが、ヨーグルト作りに使うスキムミルクと水の分量は、通常
スキムミルク…100g
水…900g
となるところを、スキムミルクを3~5gほど多くして
スキムミルク…103g~105g
水…900g
にして溶液を作ると、できあがったヨーグルトがしっかりして、継ぎが成功しやすくなります。
コツ7:作業中は喋らない(orマスクをする)
ヨーグルト作成作業中は、唾液の飛沫が入らないよう、喋らないようにします。
それが難しい場合はマスクをすると良いかもしれません。
雑菌対策が大事
以上、手作りヨーグルトを長く継ぐために私が必要と感じている7つのコツについてご紹介しました!
ヨーグルトを長く継ぐための一番の
一般家庭でやることですから、完璧にはできませんが、上記でご紹介したようなコツを実践するだけでもだいぶ安定して継げるようになりますよ!
ヨーグルト劣化のサイン1:匂いの変化
補足として、どの程度のヨーグルトなら「まだ継げる」と判断して良いのか? ということなのですが、これの基準の大きな一つは匂いです。
ヨーグルトは、一番最初、とても爽やかな、甘酸っぱいような香りがします。
これが、次の段階としてほんのりとチーズのような香りになります。チーズ臭の段階ではまだ継げます。
ちょっと怪しいのが漬物臭になったとき。これが、私が体験した中では最終段階となります。
ヨーグルトが、たくあんのような、ちょっとヌカ臭いような香りになったら、食べられはするのですがヨーグルトとしてあまり風味も良くないですから、そろそろ継ぐのをやめても良いかもしれません。
ヨーグルト劣化のサイン2:表面の色の変化
できあがったヨーグルトの表面の色にも注目です。
劣化していないヨーグルトは、表面の色が真っ白です。
これが、徐々にヨーグルトが弱ってくると、表面がクリーム色がかってきます。↓
↑こんな感じ。中央の、スプーンですくった部分は白いですが、周囲(表面)はクリーム色っぽいのがおわかりいただけるでしょうか。
しかし、まだクリーム色ならば、持ち直して白に戻ることもあるので様子見しても良いです。
これが薄ピンク色がかることがあり、そこまで行くと匂いも漬物になっていることが多いので、終了させるのが無難です。
どこまで継げるか
さて、このヨーグルトの植え継ぎ。
現時点で246回継げていて、この先どこまで継げるのか、まだ、その挑戦は現在進行形で終わっていません。
今後、限界までやって、結果が出れば追記としてご報告したいと思います!